NASDAQ上場企業『Bilibili Inc.(ビリビリ)』が2018年通年の決算発表を行ったので同社の業績を紹介したい。
ビリビリは『Fate/Grand Order』の中国版や中国版ニコニコ動画とも呼ばれる、動画サービス『bilibili』の運営会社で知られている。
今回の決算発表を受け株価が上昇し、2019年2月28日の段階で同社の時価総額は6600億円(60億ドル)となっている。
『ビリビリ』の2018年の業績は?
『ビリビリ』の2018年通年の業績は以下の通りだ。
『Fate/GO』の中国での大ヒットが同社への売上貢献が大きく、『Fate/GO』頼りの一本足打法がリスクと見る向きもあった。
今回の決算発表を見る限り、スマホゲーム事業の売上は前年比67.2%の増加の661億円と大きな伸びを見せているが、動画サービス、広告事業などがそれ以上に大きく伸ばしている。
スマホゲーム事業売上の全体比は2017年の83%から71%まで低下しており、同社の収益モデルの多角化が功を奏しているように思える。
2018年Q4『ビリビリ』事業ハイライトは?
今回の決算発表で開示された2018年Q4(10月~12月)の『ビリビリ』の事業ハイライトは以下の通りだ。
【2018年Q4ビリビリ事業ハイライト】
・MAU:9280万(前年比29%増)
→スマホユーザーMAU:7950万(前年比37%増)
・月平均課金ユーザー数:440万(前年比298%増)
・日平均総再生回数:4.4億回(前年比107%増)
・『ビリビリ』会員テスト合格正会員数:4500万(前年比44%増)
*ビリビリの会員資格取得方法としてビリビリの会員テストがある。
また戦略面でも以下のハイライトを挙げている。
・『テンセント(Tencent)』とのアニメ・ゲーム領域での戦略的提携
・『アリババ(Alibaba)』とのコンテンツEC領域での戦略的提携
・『MADE BY BILIBILI』として20作余りの中国産アニメを配信
・『ビリビリ漫画アプリ』をリリース。ネットイースの漫画サービスを事業買収
・ビリビリのeスポーツ小会社設立
今回の決算報告では2019年Q1(1月~3月)の売上高の予測値を発表しており、203億円(12.7億元)から206億円(12.9億元)を見込んでいるという。
テンセントとアリババという中国を代表する2大企業を株主として迎え、事業面でも両社と提携しシナジー効果を出そうとしている同社の動きは、中国ゲーム業界にとってこれまで以上に重要な意味を持ってくるのではないかと思う。
関連情報
『ビリビリ』2018年決算報告書:http://ir.bilibili.com/static-files/c33d8e98-0636-4d47-b209-01ed8ebe1e96
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