日本でも社会現象級のヒットを飛ばしている『TikTok』の運営元『ByteDance(字節跳動)』が、上海のゲーム会社『上海墨鵾(上海墨鹍数码科技有限公司)』を買収した。
『ByteDance』は中国でDAU(デイリーアクティブユーザー)2.5億という膨大なユーザー基盤を有する『抖音(TikTok)』アプリ内で、HTML5ゲームプラットフォームを展開するなど、ゲーム領域へ積極的に展開している。
『上海墨鵾』ってどんな会社?
今回『ByteDance』に買収された『上海墨鵾』の会社概要は以下の通りだ。
社名:上海墨鹍数码科技有限公司 資本金:4910万円(306.905万元) 設立日:2013年5月15日 本社所在地:上海 従業員規模:100~500名 HP:http://www.mokun.net
同社は2017年5月にSNKの親会社としても知られる『37Games』に買収されており、代表作に『擇天記』『全民無双』などがある。
『擇天記』は2018年1月にテンセント(Tencent)がパブリッシングした、スマホ向けMMORPGで、ピーク時には月商約30億円の売上を記録したという。
(『擇天記』のバトル画面)
ただし、先日発表された『37Games』の決算発表では、同社の業績不振が『37Games』の営業利益減少に影響したとしていた。
『ByteDance』の狙いは?
中国の企業情報サイト『企査査』によると、3月12日に『上海墨鵾』の株主が、『ByteDance』の100%小会社である『北京朝夕光年信息技术有限公司』に変更されている。
また、『上海墨鵾』の法定代表人には、『ByteDance』のニュースアプリ『今日頭条(TouTiao)』の高級副総裁である張利東氏が就任している。
今回の買収における『ByteDance』の狙いは、以下の2つが大きな要因であると考えられる。
【ByteDanceのゲーム会社買収の狙い】
1. 自社の中国最大規模の広告トラフィックをゲームを介して現金化する為
2. 自社のライブ動画アプリ『西瓜視頻』で、テンセントの『王者栄耀』の配信禁止の判決がでるなど、ゲームコンテンツを他社に依存するリスクの上昇している為
『抖音(TikTok)』と『今日頭条(TouTiao)』合わせて5億DAUと言われる『ByteDance』が、次なる主力事業としてゲーム領域を取り込み、エコシステムを強化していくのは自然な流れだ。
経営状況が芳しくない『上海墨鵾』ではあるが、今回の買収はゲーム領域への進出を積極化している『ByteDance』にとっては意義のあるものになったと言えるだろう。
関連情報
企査査:https://www.qichacha.com/cbase_d3e121d5c39a11df7b836cec8e6f173f
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