中国ゲーム系企業の2018年通年の決算発表が一通り出揃った。2018年は中国政府のゲーム配信許認可『版号』の審査が9ヶ月間停止されるなど、規制の影響が大きい一年となった。
青少年へのゲーム中毒問題なども、中国で社会問題になるなど、世論のゲームに対する見方は厳しいものがあった。
そんなゲーム会社各社の売上はどうであったのか。各社の詳細決算情報は、当記事下のリンクから、各記事を見ていただくとして、ここでは売上上位25社を一覧にして俯瞰して見てみたい。
2018年中国ゲーム系上場企業売上高Top25!
中国ゲーム系上場企業(上場予定含む)の2018年売上Top25は以下の通りだ。
(*2019年4月7日更新)
2018年売上高Top1は約1.6兆円と圧倒的な売上を誇る『テンセント』だ。Top2は『荒野行動』の『NetEase』と上位2社に動きはない。
『テンセント』はプラットフォーム、自社開発、代理パブリッシングの全てを高水準で行い、『NetEase』は自社開発からヒット作を複数世に送り出し、売上を積み上げていっている。
やはり注目は『テンセント』『NetEase』に次ぐ3番手群だろう。
今回Top3になった『世紀華通』は老舗ゲームパブリッシャー『盛大(シャンダ)』の小会社化が秒読み段階と言われており、『盛大』の売上が連結決算対象になった暁には、『Perfect World』『37互娯』を引き離し、単独3位となるのではないかと予測されている。
続く『IGG』は『ロードモバイル』が、『bilibili』は『Fate/GO』が同社の売上に大きく寄与している。
両社の2018年は高い増加率を実現したが、単一タイトルへの依存リスク回避の観点から、今後は収益源の多様化を狙ってくると思われる。
中国ゲーム業界は不況なのか?
2018年売上上位25社の売上増減率をみると、『Changyou』『中文伝媒(Elex)』『Alpha』『天神』『King Net』『神州泰岳』を除く19社はプラス成長となっている。
『Changyou』はPCオンラインゲーム市場の減衰による売上減とスマホゲームの不振が響いた。
『Elex』は『クラッシュ・オブ・キングス』が海外市場でヒットを続けているものの、前年比で減少を見せており、単一タイトルへ依存する一本足打法のマイナス面が出たかたちとなった。
プラス成長を示している企業に共通するのは、海外市場での成功と収益源の多様化だ。
ゲーム配信許認可『版号』規制が解除されたとは言え、新作の配信にはまだまだ時間がかかるのが実情だ。
中国国内スマホゲーム市場は成長鈍化と依然厳しい状況にある。リストラの話しも珍しくなく不況と感じている業界人も多くいる。
これらを踏まえ、周りの中国ゲーム企業の動向を見ていると、中国ゲーム企業の海外進出がより活発化することは間違いない流れになっている。日本側もうまくこの流れをキャッチアップして、売上増を狙いたいところだ。
関連情報
2018年決算情報ページ:https://chinagamenews.net/?s=%E6%B1%BA%E7%AE%97
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