『王に俺はなる』という中国産のスマホゲームを見聞きしたことのある読者も多いのではないだろうか。
中国産スマホゲームの中でも、『荒野行動』や『崩壊3rd』の様にハイクオリティなゲームで勝負を挑むと言うよりも、刺激的な広告でユーザーを引き込む手法に長けているタイプのゲームだ。
中国で17年にリリースされた同作は、18年に日本に進出し、大方の予想 ー中国宮廷モチーフ且つあのゲーム性は売れないー を覆し大ヒットを記録した。
この流れを受けて『日替わり内室』や『アイアム皇帝』など同タイプのゲームが続々と日本に進出してきた。
4月17日に『アイアム皇帝』の運営元である『点触科技』が決算報告書を公開したので同社の売上情報を紹介したい。
『点触科技』とは?
『アイアム皇帝』の運営元である『点触科技』の概要は以下の通りだ。
同社は2013年に設立されたゲームパブリッシャーで2017年には中国ベンチャー企業向けの店頭市場である『新三板』に上場している。
代表作は『アイアム皇帝(叫我万歳爺)』やトルコやロシアでセールスランキングTop3常連の『Game of Sultans』などがある。
『アイアム皇帝』の全世界売上は?
同社の決算報告書に『アイアム皇帝』などの全世界売上情報が記載されているので以下に紹介したい。
日本では『王に俺はなる』に完敗と言える『アイアム皇帝』も中国や韓国などでは順調に売上を伸ばしており、同社の約半分近い約38億円の売上を上げている。
(Game of Sultans)
『点触科技』の2018年業績は?
『点触科技』の2018年の業績は以下の通りだ。
同社は『アイアム皇帝』や『Game of Sultans』のヒットの後押しを受けて、大幅な増収増益を果たしている。
そんな同社の通年の開発費は約5.6億円で売上の7.5%となっている。17年も開発費は売上の6%程度に抑えられていることから、同社の方針として開発費は全体売上の7%前後にしていると考えられる。
マーケティング費に関しては約30億円と売上の約40%と前年の約27%から大幅に増加している。
これら決算上の数字からも同社の特徴がマーケティング主導であることが読み取れる。
『アイアム皇帝』は日本市場では『王に俺はなる』に敗北を喫したが、韓国市場ではセールスランキングのTop10圏内で激しい競争を繰り広げている。
開発費を抑え、KPIの良いゲームに大胆なマーケティングを行う手法は、中国広州を中心とした一帯の会社が得意とする攻め方で、中国企業は日本や韓国でもこの手法が通用すると認識している。
同社もこの攻め方を得意としており、日韓市場の他にトルコ、ロシアなどにも積極的に進出している同社の展開は要注目だ。
関連情報
『点触科技』2018年決算報告書:http://www.neeq.com.cn/disclosure/2019/2019-04-16/1555408360_547449.pdf
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