日本でも長期ヒットを記録している、『THE KING OF FIGHTERS ’98 ULTIMATE MATCH Online』の開発・運営会社『Our Palm(掌趣)』が2018年通年の業績発表を行った。
『Our Palm』は2004年に設立されたゲーム運営・開発会社で、2014年に中国深セン市場で上場を果たした。
同社は2018年に人気PCオンラインゲーム『MU』IPを用いたスマホMMO『奇迹MU:覚醒』を開発し、中国ではテンセントが配信を行いApp StoreセールスランキングでTop3を記録するなど売上に大きく貢献した。
同社の2019年4月28日現在の時価総額は約1787億円(111.68億元)となっている。
『Our Palm』の2018年業績は?
『Our Palm』2018年通年の業績は以下の通りだ。
売上高は約315億円、売上総利益は約193億円と共に10%以上の増加を見せているが、投資先の業績悪化が著しく、株主に帰属する純損益として約500億円を計上している。
売上原価の詳細にある『宣伝広告費』を見てみると、2018年は約25億円と2017年の約29億円から14%程度削減している。
『宣伝広告費』の売上高に対する比率は2018年が約8%、2017年が約10%となっている。
人気MMO『奇迹MU:覚醒』の売上は?
投資事業の失敗が業績に大きな影響を及ぼす中、人気PCオンラインゲーム『MU』IPを用いたスマホMMO『奇迹MU:覚醒』が中国ではテンセントから配信されApp StoreセールスランキングTop3を獲得するなどヒットを記録した。
同作の売上やARPPUなどのKPIは以下の通りだ。
同作は中国は『テンセント』が、繁体字圏は『新三國志』の『Hero Entertainment』が運営を行っており、上図の通り課金単価(ARPPU)の高さが際立っている。
日本で『KOF’98 UMOL』の実績を持つ『Our Palm』ではあるが、同作は自社運営ではなく『Kunlun』にパブリッシング権をライセンスするという判断を行った。
(日本語版は『MU:奇蹟の覚醒』として『Kunlun』が配信を予定)
昨今の中国ゲーム企業は自社開発・自社運営を強める流れにあるが、同社もこの路線を強化するのか。それとも開発に徹し『奇迹MU:覚醒』のように運営は他社にライセンスしていくのか。今後の同社の動向に注目したい。
関連情報
『Our Palm』2018年決算報告資料:http://static.cninfo.com.cn/finalpage/2019-04-26/1206105526.PDF
『奇迹MU:覚醒』日本語版:http://mu.koramgame.co.jp/jizen/
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