アジア最大規模のゲームショウ『ChinaJoy 2019』が中国・上海で8月2日~5日の日程で開催された。
ゲーム大陸編集部と地元上海のゲームファンが見た『ChinaJoy 2019』の感想を2回に分けて紹介したい。
ゲーム大陸が思う『ChinaJoy 2019』その①
ゲーム大陸編集部は開催初日の8月2日午前にBtoC、午後にBtoBブースを見て回った。そこで感じたポイントその①は以下の通りだ。
①上に政策あれば下に対策あり
中国ビジネスをされている方であれば一度は『上に政策あれば下に対策あり』という言い方を耳にされたことがあるのではないだろうか。
政府が何かしらの政策を打ち出したら、それに上手く対処し自身の利益を確保するために頭を捻って対策を行う、というものだ。
中国ゲーム業界は昨年3月末から12月末の約9ヶ月間、ゲーム配信許認可『版号』の審査が停止されるなど、厳しい政府の規制に直面した。
規制が強化された原因は多岐に及ぶが、その内の一つに『不健全な娯楽』としてのゲームは許さない。という意思が強く働いていることは、公開されている情報からも見て取れる。
そこでゲーム会社各社がとった対策というのが『文化』という見せ方だと当編集部は感じている。
中国ゲーム会社が提供しているのは、不健全でお金儲けの為には手段を選ばず、刹那的・退廃的・快楽主義的な娯楽ではなく、中国の価値観に沿った歴史ある中国の文化の延長線上にある新しい文化を提供している。という見せ方だ。
実際、テンセントやNetEaseなど大手を筆頭に中国文化との融合を強調する展示がなされていた。
(テンセントゲームズの『王者栄耀』中国の歴史建築を用いた展示)
テンセントゲームズが特別展示として別途ブースを用意して展示した中国文化エリア。中国文化と現代ゲーム文化を融合させた展示内容に仕立てていた。
ゲーム大陸が思う『ChinaJoy 2019』その②
大きな2つのポイントのうち、1つ目が文化という見せ方だと上に紹介した。ではその2つ目とは何かというと『日中ゲーム文化の融合』だと感じた。
②日中ゲーム文化の融合
テンセントと任天堂の『Nintendo Switch™』のブースを始め、『Play Station』ブースでは『崩壊3rd』のmiHoYoの新作オープンワールドRPG『原神』のPS4展開が発表・展示されるなど、日本のゲーム大手企業と中国企業の融合が象徴的だった。
(『テンセントゲームズ』ブース内の『Nintendo Switch™』展示)
(『Play Station』は『原神』を大きく取り上げていた)
他にもバンダイナムコは例年通り日本IPを中心とした中国人ユーザーが喜びそうな工夫をこらした展示を行ったり、『キズナアイ』がNetEaseとbilibiliブースに登場するなど会場のどこを見渡しても、日本のコンテンツが飛び交い、この数年で非常に高度かつ深いレベルで日本と中国ゲーム文化の融合が進んだと実感した。
他にも原寸大の肉塊や筋斗雲などのSNS映えを意識した展示物も多数あった。
上記2つのポイント以外にも幾つか面白いトピックがあるが紙面の都合上、それらは別途紹介したいと思う。
また、『地元上海のゲームユーザーがみたChinaJoy 2019』は8月6日か7日頃にはアップ予定なのでそちらも合わせて、多面的に『ChinaJoy』レポートを楽しんでいただければ幸いである。
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