『キング・オブ・アバロン』や『ガンズ・オブ・グローリー』などが世界的なヒットを記録し中国ゲーム企業の海外進出のトップランナーと言えるFunPlusだが、その規模に対し対外露出が少ないことでも有名だ。
今回、FunPlusの共同創業者兼CEOのAndy Zhong氏へ中国ゲームメディア『遊戯葡萄』がインタビューを行ったのでその様子を紹介したい。
インタビュー原文では組織論にも言及しているが、ここでは割愛している。興味のある方は原文をチェックしていただきたい。
『キング・オブ・アバロン』開発の裏側
(FunPlusの共同創業者兼CEOのAndy氏)
遊戯葡萄(以下、問):FunPlusは大概的なアピールがとても少ないですね。
Andy:わざとではない。外部よりも内部を重視している。会社には『未来よりも今が重要』というコンセプトもある。
問:FunPlusの未来とは?
Andy:我々はSLGを得意とする会社だが、ゲーム会社を3社抱えており、その内の1社はマッチスリー系のゲームを手掛けるなど、版図拡大に向け動いている。
野心的に言えば、世界的なエンターテイメント企業になることで、肝要は製品でそれを実現することだと思っている。
問:肝要である製品を如何に作り上げている?
Andy:我々はSLGを得意とする自社開発、自社パブリッシングの会社だ。この手の会社はより多くの自己鍛錬が必要で、常に変化やイノベーションを求めなければならない。
我々はリリースするタイトルのヒット率を50%以上にしたいと考えている。
問:ヒット率50%はどの様にして達成させる?
Andy:プロジェクト立案を非常に厳しく見ている。人材獲得もそう。ただ、プロジェクト始動後の調整や変更などに対しては忍耐強く時間を与えている。
問:具体的に教えて下さい。
Andy:『キング・オブ・アバロン』を例に上げる。これは我々のSLG第一弾タイトルでプロジェクト立上げからリリースまで3年以上の時間を要した。
SLGを初めて開発する会社として、ここまで時間とコストを払って開発を続ける忍耐力を持てるかどうか、これには信念が必要になると思う。
『キング・オブ・アバロン』の開発時には多くの問題があり、プロデューサーの変更なども起こった。その当時の社内の見方は非常にネガティブなもので『成功の見込みのないプロジェクト』と言われていた。
プロジェクトメンバーも『暇ができれば会社を辞めることを考えてしまう』と漏らすほど低迷した時期もあったが、残ってくれたコアメンバーが中心となり同作を世に送り出した。
この様に、つらい状況にあっても最後まで堅持できる人というのは、理由なき信念があると思う。そしてその信念とは『No.1のSLG会社になる』ことだと考えている。
SLG長期運用に必要なのは“コミュニティ”と“ユーザー理解”
問:FunPlusのゲームは長期運営タイトルが多い。これはユーザーに常に新しい体験を提供しているからか?
Andy:そうだ。FunPlusの各タイトルのコミュニティは全て異なっている。『キング・オブ・アバロン』と『ガンズ・オブ・グローリー』のユーザーの重複率は10%程度だ。
また、SLGの長期運営にコミュニティマネジメントが重要であることは当然として、“ユーザーの理解”もまた重要だ。ユーザーの好みは2、3年で変化を起こす。
問:新規SLGタイトルのヒットには『成熟したゲームプレイ+良質なグラフィック+ニッチ化したモチーフ』が必要だと思います。
Andy:確かに新規タイトルのモチーフとグラフィックの選定は大事だが、全てではない。
SLGの伝統的なゲームプレイは4Xと言われており、探索(eXplore)、拡張(eXpand)、開発(eXploit)、征服(eXterminate)の4X要素がゲームプレイの根幹となっている。
ユーザーはSLGを遊び始め、その期待値を超えた時に初めてゲームを評価する。成熟したゲームプレイの継承だけでなく、進化・深化も必要だ。
関連情報
インタビュー原文:http://v.youxiputao.com/articles/18798
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