中国ゲーム市場のデータ分析を行う『CNG(伽馬数据)』は2019年の中国スマホゲーム市場の動向をまとめたレポート『2019年中国移動遊戯年度報告』を発表した。
同報告書では2019年の中国スマホゲーム市場全体の売上規模やIPタイトルや新規タイトルなどの市場動向、年間売上Top10などがまとめられている。
2019年中国スマホゲーム市場売上規模は約2.4兆円
『2019年中国移動遊戯年度報告』によると、2019年の中国ゲーム市場の売上規模は約3兆7283億円(2330.2億元)、前年同期比8.7%増加、2019年の中国スマホゲーム市場売上規模は約2兆4219億円(1513.7億元)と中国ゲーム市場全体の約65%を占めたとしている。
中国スマホゲーム市場は増加率も前年比13%増とPCクライアント・サーバー型、ブラウザゲームなど他のセグメントよりも高い増加率を示している。
中国スマホゲーム市場売上規模推移
出所:『2019年中国移動遊戯年度報告』
青棒線:中国スマホゲーム市場売上規模
黄折れ線:増加率
単位:億元
同レポートでは、中国スマホゲーム市場は新規ユーザーへのリーチが一巡、IPによる新規市場開拓も厳しさが増してきているとし、これらの状況を克服するため、開発力、マーケティング、運営など中国国内企業の総合力が向上したと分析している。
また、2019年の中国スマホゲーム売上Top250の約90%以上が中国企業が開発したタイトルとなっているとの統計も発表した。
出所:『2019年中国移動遊戯年度報告』
青棒線:中国企業が開発したスマホゲーム売上Top250規模
黄折れ線:スマホゲーム売上Top250内のシェア
単位:億元
2019年一番売れたスマホゲームは王者栄耀
2019年の中国スマホゲーム市場セールスランキングTop10は以下の通りだ。
出所:『2019年中国移動遊戯年度報告』
同レポートでは売上Top10タイトルへの売上偏重が見られるとしている。
2019年の売上Top10タイトルは2018年から半分が入れ替わり、新規タイトル3本がランクイン、長期運営タイトルとしてNetEaseの『大三国志』とDuoYiの『神武3』がTop10入りしたとしている。
【2019年中国スマホゲーム売上Top10】
1.王者栄耀(テンセント)
2.夢幻西遊(NetEase)
3.和平精英(テンセント)
4.完美世界(テンセント)
5.爆走ドリフターズ(テンセント)
6.陰陽師(NetEase)
7.大話西遊(NetEase)
8.大三国志(NetEase)
9.神武3(DuoYi)
10.KartRider Rush Plus(テンセント)
MMOジャンルが依然人気
『CNG(伽馬数据)』の統計によると2019年にリリースされた新規タイトルの売上Top10の内ARPG(MMO)が4作と多くを占めた。
これは中国ゲーム市場がARPG(MMO)ユーザーを多く抱えていることが背景にあると分析している。
また、新規ゲームの開発に際し、最初のターゲットになるもの同ジャンルであり、多くの経験が蓄積されていることから、大企業はそこからコンテンツの差別化を図りやすいとしている。
中小デベロッパーとして新規タイトル売上Top10に入ったのは、新しいモチーフとマーケティング手法が成功した『アークナイツ』のみとなった。
出所:『2019年中国移動遊戯年度報告』
IPゲームは文学が伸びるも売上はオンラインゲームが一番
2019年のIPタイトルに関する状況をまとめたグラフは以下の通りだ。このグラフは2018年と2019年の売上Top100におけるIPのジャンル別分布を示している。
出所:『2019年中国移動遊戯年度報告』
濃青:PCオンラインゲーム / 青:文学 / 水色:アニメ / 緑:コンソール・アーケード / オレンジ:スマホゲーム / 薄黄:クラシック / 茶:その他 / 灰:無し
グラフ内側:2018年 / グラフ外側:2019年
売上Top100の内IPタイトルの比率は前年比で増加しており、『龍族幻想』『斗羅大陸』など文学作品IPの増加率が52.4%増と高い伸び率を示している。
伸び率は次いでコンソール・アーケードゲームIPとなっているが、売上規模でいうと依然PCオンラインゲームIPが最も多くなっている。
関連情報
『2019年中国移動遊戯年度報告』:こちら
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