中国旧正月休暇中に感染が拡大した新型コロナウィルスの影響で、旧正月休暇の延長や、不要不急の外出を控えるなどの動きがでた。これにより増加した可処分時間がゲームに回された側面は少なからずあるように思う。
そんな特殊な旧正月期間中、App Storeのダウンロードランキング1位を獲得し続けた『Brain Out(脳洞大師)』ヒットの裏側に迫りたい。
『Brain Out(脳洞大師)』とは?
『Brain Out(脳洞大師)』は日本でもリリースされているスマートフォン向けの脳トレ系の広告モデルのハイパーカジュアルゲームだ。
開発はEYE WIND社が担当、中国App Storeの配信アカウントは『kaixuan li』となっている。同アカウントはAppAnnieの統計では『TikTok』のBytedanceに紐付いており、Bytedanceが関係しているのではないかと見られている。
(『Brain Out』)
また同作は旧正月期間中にあたる、1月26日から2月6日まで中国App StoreゲームカテゴリのDLランキング1位を維持している。
出所:AppAnnie
水色:ゲームカテゴリ/青:総合
『Brain Out(脳洞大師)』ヒットの要因
『Brain Out(脳洞大師)』ヒットの要因として以下の2点が上げられる。
【『Brain Out』ヒットの要因】
1. 旧正月期間中の可処分時間増加に伴い、全年齢層で遊べるハイパーカジュアルゲームのニーズが増加した
2. ショートムービーとの相性が良く、SNS上で拡散しやすい
ただ、上記2点は『Brain Out』だけに限らない、ハイパーカジュアルゲーム全般に言える共通点だ。
では、同作が他の競合を差し置いて、旧正月期間中ダウンロードランキング1位を獲得できた要因は何かと言うと、Bytedanceの広告配信プラットフォーム『Ocean Engine(巨量引擎)』の活用が上げられる。
中国広告分析ツール『App Growing』の統計によると、『Brain Out』の直近1ヶ月の広告クリエイティブ111件の全てが、Bytedanceの広告配信プラットフォーム『Ocean Engine(巨量引擎)』での広告配信となっており、出稿媒体は中国版TikTokの『抖音』や『西瓜視頻』『今日头条』で、クリエイティブはゲームプレイ動画が中心となっている。
出所:App Growing
『Brain Out』はBytedanceが直接的に配信を行っているか?は定かではないが、Bytedanceはこれまで傘下のスタジオ『Ohayoo(朝夕光年)』を通じてハイパーカジュアルゲーム『我功夫特牛』をヒットさせている。
Bytedanceの自社サービスのユーザープールを元にした広告配信プラットフォーム『Ocean Engine(巨量引擎)』とハイパーカジュアルゲームの相性の良さは『我功夫特牛』や『Brain Out』が証明している。
ゲーム領域に積極展開しているBytedanceがゲーム事業会社としてより存在感を増してくるのか。今後の同社の動向に要注目だ。
関連情報
『Ocean Engine(巨量引擎)』:https://www.oceanengine.com/
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