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【特別企画】中国ゲーム業界の生き字引!中国人プロデューサーが語る中国ゲーム市場とは

インタビュー

中国ゲームが市場を賑わすにつれ、中国ゲーム会社のプロデューサーは一体どの様な仕事をしているのか?どの様な人がいるのか?と興味を持つ方も少なくないのではないだろうか。

中国ゲーム業界に20年近く従事しているゲームプロデューサー謝氏にインタビューを申し込んだところ快諾いただけたので、前後編の2回に分けて紹介したい。

2020年の中国ゲーム業界は2極化する

ゲーム大陸:先ずは自己紹介をお願い致します。

謝氏:謝暉と申します。中国のゲーム会社で企画/プロデューサーをしています。ゲーム業界には20年近くおりまして、PCスタンドアローンゲームからオンラインゲーム、そしてスマホゲーム時代には月商億円超えのタイトルをプロデュースする機会にも恵まれ、ゲーム業界の変遷とともにキャリアを重ねてきました。

個人的には日本のゲーム業界にずっと注目しており、日本のゲーム会社さんと協業したこともあります。

ゲーム大陸:謝さんは日本語もお上手ですもんね。

謝氏:いえいえ。最近は使う機会が少ないので残念です。


(謝氏がプロデューサーを努めた『我是車神』シリーズ)

ゲーム大陸:2019年の中国ゲーム業界を振り返ってどう思いますか?

謝氏:『版号』審査の再開により、徐々に活気を取り戻したと思います。テンセントやNetEaseによる市場支配は変わらないですが、その他の会社も2次元などニッチ化したジャンルに特化することで自社の強みを出していると思います。

また、2018年の『版号』審査停止によって、中国ゲーム会社の目が海外に向き、日本を始め各国で成果をあげました。

ゲーム大陸:確かにそうですね。では、2020年の中国ゲーム業界はどうなると思いますか?

謝氏:そうですね。ユーザーさんの目が肥えて来ているので、開発費は引き続き高くなると思います。業界的にも二極化と業界再編が激しく進んでいます。

巨大企業は人材とプラットフォームを囲い込み、参入障壁をより高くしています。中小規模の会社は引き続き大量に淘汰されると思います。

また、新興のIT巨大企業『ByteDance』もゲーム事業に参入してきているので、より激しい競争が起こると思います。

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注目ジャンルはオープンワールドと女性向け

ゲーム大陸:2019年はハイパーカジュアルゲームの進化系とも言える『アーチャー伝説』やニッチジャンルの深耕である『Auto Chess』系のゲームが出てきました。今注目しているジャンルはありますか?

謝氏:オープンワールド・サンドボックスゲームですね。中国スマホゲームの優位性とMOBAやバトロワ系タイトルの中国国内外での成功から、中国ゲーム会社はPCやコンソール機のトレンドをいち早くスマホゲームに持ち込みたいと考えています。

また、オープンワールド・サンドボックスゲームに代表される3A級のゲーム開発は、人材と技術の蓄積という観点からも、競合に先を越されたくないと言う意識もあります。

同時に中国市場特有の不安定要素を考え、以前にも増して海外市場を重視する傾向がありますし、コンソール機などの海外で主流なプラットフォームとの競争を考えた際に、大型タイトルの開発経験というのは欠かせない条件になると思います。

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実際、数年前からテンセントNetEaseを始めとする巨大企業がUnreal Engine関連の技術者の大規模採用を始めていますし、予測ではありますが多ければ1社数千名規模の採用になっていると思います。

また、昨年から広州、香港、深圳市、東莞市、マカオを結ぶ三角地帯『珠江デルタ』地域で重大な人手不足が起こっています。

これは、次なる成長領域と目されているオープンワールド・サンドボックスゲームの開発者を獲得し、新市場の奪取、世界水準の競争力を持った3A級タイトルの開発力(UE+オープンワールド)の獲得、競合他社に対する人材囲い込み、を見据えた一石三鳥の戦略が招いた現象だと考えています。


(『ニキ』シリーズ最新作の『シャイニングニキ』)

もう一つ注目しているのは、女性向け市場ですね。『ニキ』シリーズと『恋とプロデューサー』のヒットにより、VC業界やゲーム業界から新しい成長領域だと熱い視線が注がれています。

ただ、この数年『ニキ』シリーズと『恋とプロデューサー』以外の大ヒット作が出ていないので、2020年は女性向けゲームにとって勝負の年になると思います。

最後にもう一つ挙げたいのはアクションゲームです。アクションゲームは中国ユーザーの間で人気が衰えることがありません。そして、中国のゲーム開発者アクションゲームに未来を感じています。

この領域は日本のゲーム会社の伝統的な強みだと思います。例えば、フロム・ソフトウェアの『ダークソウル』シリーズ、カプコンの『デビルメイクライ』シリーズなど、中国ユーザーの間でも非常に大きな影響力を持っています。

特に昨年The Game Awardsを獲得した『SEKIRO』はテンセントなど多くのゲーム大手内部でも今後重点的に参考とする方向の一つだとしています。最近、テンセントが発表したプラチナゲームズとの提携からも、テンセントがアクションゲームジャンルに大きな一歩を踏み出した、と見ることができます。


(NetEaseのPCオンラインアクションゲーム『戦意』)

アクションゲーム開発において、日本のゲーム会社はまだ多くの独自の経験と技術を有しています。将来的に中国のゲーム会社との提携や協業の可能性もあると思いますし、場合によってはこれが日本のゲーム業界に新しいインパクトと変化をもたらすかもしれません。

ゲーム大陸:なるほど。。新しい市場を見出すビジネススキルとユーザー目線に立ったゲーム愛の両面が感じられる中国ゲーム業界の動向ですね。中国のスマホゲームが日本、韓国を始め、世界各地でヒットしています。成功の要因は何でしょうか?

謝氏:個人的に最大の要因は資本力と人材の集中にあると思っています。

中国国内の各ゲーム事業領域(PC、スマホ、コンソールなど)において、スマホが圧倒的なシェアを持っています。自ずと資本もスマホゲームに集中し、巨額の資本投資はゲーム業界を高収益業界にし、優秀な人材が集まるようになりました。

中国国内の巨大な市場規模と高度成長が、この様な短期間で投資が極度に集中するモデルにしたのだと思います。巨額の資本投資と人材の集中は、他国のゲーム会社の開発やパブリッシングと比べ、(資本、人材の)体力面で非常に大きな優位性をもっていると思います。

また、中国ゲーム会社は中国国内の残酷な市場競争と激烈な環境変化(ユーザー趣向、政策など)に対応する内に、ゲームの収益化と市場変化に対し、異常までの成熟と適応能力を備えることになりました。

これもまた中国のスマホゲームが海外市場で成果をあげている要因の一つではないかと思います。

謝氏インタビュー後編こちら

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