中国ゲーム市場の勢力図に影響を与えそうなニュースが飛び込んできた。中国最大のベンチャー・ITメディア『36kr』が2名の関係者の話しとして、『テンセント(Tencent)』に次いで『アリババ(Alibaba)』も『bilibili』への出資案件をまとめたと伝えた。
10月初旬にはテンセントがbilibiliへ2度目の出資!
10月3日、『テンセント』は『bilibili』の新規発行普通株2506万株を1株1394円の価格にて買い付けを行うと発表。買付け総額は349.8億円となった。(1ドル=110円にて換算)
『テンセント』は『bilibili』がNASDAQに上場する前にも5.2%の株式を取得しており、『bilibili』の十番目の大株主となった。この買付けにより、『テンセント』の持株比率は12.3%にまで上昇した。



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アリババの投資金額は?
今回『36kr』が伝えた報道では『アリババ』の具体的な投資金額は明らかにされていないが、10月初旬の『テンセント』と同じく新規発行株に対する買付けであるとされている。
このことから、この情報が確かであれば、『テンセント』の『bilibili』に対する持株比率に変動が起こると見られている。
また、『bilibili』は『DiDi(滴滴)』『RED(小红书)』といったITベンチャーに続いて、『テンセント』と『アリババ』の2大巨頭からの出資を受けた会社と言うことになる。
『bilibili』が抱える問題とは?
『bilibili』が主な事業として手がける動画サービスは採算性の面で大きな課題を残している。採算性の面を逼迫しているのは、主にインフラコストと版権獲得コストだ。
同様の動画サービスを手がける『iQIYI(爱奇艺)』『YouKu(优酷)』『テンセントビデオ(腾讯视频)』といった大手と比べると資金面で苦しい戦いを強いられている。
それらコストを支えているのが、『Fate/GO』などに代表されるゲーム運営事業だが、『bilibili』はゲーム運営事業の一本足打法からの脱却を図ろうとしている。
【bilibili Q2業績】
– 売上高は約154億円、昨年同期の約87億円と比べると76%の増加。
– 営業総利益は約38億円、昨年同期の約25億円と比べると82%の増加。
– 営業損益は約16億円、昨年同期の約8億円と比べると103%の増加。
-スマホゲーム事業の売上は約119億円、昨年同期の約74億円と比べると61%の増加。
-ライブ動画事業の売上は約18億円、昨年同期の約6.4億円と比べると186%の増加。
ゲーム運営以外のライブ動画事業と広告事業の伸びが高くなっており、事業多角化の効果が出始めている。
『bilibili』の戦略は?
先日『bilibili』は『テンセント』と2次元コンテンツ領域での戦略提携を発表した。発表によると、権利元との条件が折り合えば『bilibili』と『テンセント』でアニメ配信ライブラリの共有を行うという。



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『アリババ』は、競合である動画サービス『YouKu(优酷)』を抱えており、今回伝えられた情報が確かであれば、今後『アリババ』とも『テンセント』と同じ様なアニメ配信ライブラリの共有といった、何らかの提携がみられるかもしれない。
事業の多角化に効果が出始めているとは言え、『bilibili』の全事業を推進するためにはまだまだ潤沢な資金が必要であることには変わりはない。
『bilibili』資金面の不安を解消すると同時に、事業面でもシナジー効果を見込むことができ、株式市場からは好意的な見方をされている。
『bilibili』はNASDAQ上場企業の規定に準じて、重大な発表事項があれば速やかに告知を行うとしているが、株価は公式発表に先んじて前日比で一時10%高となるなど、高い注目を集めている。
確定情報が入り次第、ゲーム大陸でも紹介する予定だ。
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引用:http://www.gamelook.com.cn/2018/11/342508
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