中国のスマホアプリ広告出稿量計測ツール『App Growing』はスマホゲーム4000タイトルの広告出稿データを元に、2月の中国ゲーム市場のマーケティングトレンドをまとめたレポートを公開した。
現在中国で大流行中のお小遣い稼ぎカジュアルゲーム『阳光养猪场(Raise Pig)』を中心に最新の中国スマホゲーム市場のトレンドを紹介したい。
スマホゲームの広告予算は増加
『App Growing』が発表したレポートによると2020年2月の中国スマホゲームは以下のトレンドが見られたと言う。
【2020年2月中国スマホゲーム市場トレンド】
1. スマホゲームの広告予算増加
→ スマホアプリ全体の広告出稿金額の約36%をスマホゲームが占める
→ 前月比4.47%上昇
2. カジュアルゲームの広告出稿量が増加
→『阳光养猪场(Raise Pig)』が3ヶ月連続でスマホゲーム広告出稿量Top1
→ 1月からカジュアルゲームの広告出稿量が増加
→ カジュアルゲームのスマホゲーム広告出稿量の全体における比率39%(12月)、59%(1月)、53%(2月)
3. お小遣い稼ぎカジュアルゲームが人気
→ カジュアルゲーム広告数Top20の内6タイトルがお小遣い稼ぎ系
2020年2月中国スマホゲーム広告出稿数Top20
出所:App Growing
お小遣い稼ぎカジュアルゲームとは?
現在中国のカジュアルゲーム市場を席巻している『お小遣い稼ぎゲーム』には以下の特徴がある。
【お小遣い稼ぎゲームの特徴】
・代表作は『阳光养猪场(Raise Pig)』
・ゲーム性は合成やマッチスリーなどライト層向け
・収益モデルは広告型
・ユーザーはゲーム内で得たポイントをWechat Payなどを通じて換金できる
・ゲーム内でより効率よくポイントを貯めたければ、より多くの広告を見る必要がある
『阳光养猪场(Raise Pig)』
『阳光养猪场(Raise Pig)』は3ヶ月連続でスマホゲーム広告出稿量Top1となるだけあり、2月だけでByteDanceの広告配信プラットフォーム『Ocean Engine』を中心に約3.5万回の広告出稿を行っている。
中でも動画広告が約半数を占め、クリエイティブを分類すると以下の3つが基本的なパターンとなっている。
【『阳光养猪场』動画広告の基本3パターン】
1. 記者会見/謝罪会見 風
2. 日常の一コマ(アプリで稼いで買い物ができる)
3. 貧困からの脱出
(『阳光养猪场(Raise Pig)』の動画広告)
同作の動画広告は効果が非常に良いと見えて、『お小遣い稼ぎ』機能の無いゲームまでそのクリエイティブを真似て作るため、それら模倣タイトルでは詐称広告だと不満の声が多くなっている。
中国でもハイパーカジュアルゲームが流行っているが、それとは異なる文脈にある『お小遣い稼ぎゲーム』も新しいトレンドの一つとしておさえておきたい。
関連情報
App Growingレポート:こちら
App Growing海外版:https://appgrowing.net/