3月11日、深セン証監局は管轄区内の上場企業への現場検査中に、その会社が買収した小会社が運営する105タイトルが『版号』未取得であり、『版号』取得済の54タイトルに関しても、リリース開始日が取得日前であることを発見し、業務改善の為、行政監督措置を取ると発表した。
今回の発表含め、2月下旬頃から中国ゲーム業界での規制関連の動きが慌ただしくなっている。中国ゲームメディア遊戯葡萄が一連の流れをまとめているので以下に紹介したい。
中国ゲーム市場の規制関連動向
中国ゲームメディア遊戯葡萄がまとめた2月下旬から3月中旬までの中国ゲーム規制関連の動向は以下の通り。
【直近の中国ゲーム市場の規制関連動向】
・広告関連
2月24日、ByteDance傘下の広告PF『穿山甲』の管理画面にて3月26日24時までに『版号』を提出するよう要求。これを満たさなかった場合、『穿山甲』側で広告の撤回と精算を行う権利を有すると通知。
・プラットフォーム関連
2月25日、中国メディアがApp Storeの規約に、有料アプリもしくはアイテム課金を伴うアプリは2020年6月30日までに『版号』を提出するよう明記されたと報じる。
・政府関連
- 2月26日、北京市宣伝部がオンライン会議を主催。法律違反行為を挙げ、『版号』未取得、『版号』審査提出内容と実際の内容の不一致、プラットフォームによる『版号』未取得タイトルのリリース及びプロモーションなどを厳しく禁止するよう求める。
- 3月初旬、広東省主管部門とパブリッシャーがクローズドの会議を行い、実名制と未成年者の熱中防止、『版号』関連規定の遵守を求める。
- 3月11日前後、上海の複数のゲーム会社が上海新聞出版局から、中宣部の実名認証システム、オンラインゲーム、コンソールゲーム、ミニゲームにおける実名ログイン、未成年者のゲーム時間と課金金額の制限などに積極的に対応するよう要求を受ける。
- 3月11日、深セン証監局がゲーム系上場小会社の『版号』未取得タイトルのリリースを発見、行政監督措置をとる。
・消費者関連
3月3日、中国消費者保護協会がゲーム事業者に消費者保護の4つの要求を提示。(詳細はこちら)
ゲーム関連規制動向の重点
20日あまりの間に、政府関係、プラットフォーム、広告、消費者団体と各方面から北京、上海、広州、深センとゲーム会社が多く集まる地域において関連の動きがあった。
これら一連の流れから見えてくる重点は以下の通りだ。
【ゲーム関連規制動向の重点】
1. 未成年者保護の強化
2. 政府管理の死角をなくす
→App Store(版号なしのリリース)、広告配信(版号の無いゲームのプロモーション)、コンソール・ミニゲーム(実名認証・版号なし)など
3. 法の執行と処罰の厳格化
規制の死角をできる限り排除し、執行と罰則を厳格化している一連の規制強化は、史上最強の規制とも称されている。競争激化に加え、規制も強化が進む中国ゲーム業界が半年、一年後にどの様な変化を迎えるのか、動向を見守りたい。
関連情報
深セン証監局の発表:こちら