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【インタビュー】課金は後から、先ずゲームを作る!ラストシェルター開発元CEOの考えとは?

インタビュー

『Last Empire – War Z』『ラストシェルター』の開発・運営会社Long Tech Network(龙创悦动)のCEOである蘇立龍氏に中国ゲームメディア手游那点事がインタビューを行った。

課金は後から、先ずはゲームを作る。ユーザーの意見には毎日目を通す。20年続くグッドゲームカンパニーを目指す。と語る同氏の考えとは?

会社の目標は20年続くグッドゲームカンパニー

問:これが会社設立後初めてのインタビューと聞きました。先ずは簡単な自己紹介をお願いします。

蘇氏:我々の会社はLong Techと言います。対外的には『IM30』というブランドを使っているので、聞いたことが無い方もいるかと思います。

今年で会社は5年目で、私達は20年続くグッドゲームカンパニーを目指しています

問:創業のきっかけは何だったのでしょうか?

蘇氏:創業メンバーとは30歳を過ぎたころから何か事を起こしたいと考えるようになり、家も買ったし、経済的な負担が軽くなってきたので、一緒にやろうか。という感じで始めました。

孔子の『三十にして立つ』という言葉がありますが、では『立つ』とは何か?を考えたところ、それは共通の価値観だろう。と思い至りました。

その価値観とは、良い会社にする、大企業にはしない、流行りは追わない、出しゃばらないことです。


(Long Techの代表作『Last Empire – War Z』)

問:今会社は何名ですか?

蘇氏:300名超で2/3は開発です。

問:大企業ですね。

蘇氏:大企業ではありません。派閥もありませんし、社内フローみたいなものも基本的にありません。最適な人をアサインしそこに役割が生まれるのであって、役割に人を当てはめる方法は採っていません

問:アクティブ過ぎないですか?

蘇氏:そうは思いません。我々のコンテンツ業界は人材が一番の財産だ。という言い方をしますよね。では、人材とは何でしょうか?人材のために会社は何をしていますか?私はその人材が一番得意とする分野で力を発揮できるようにしてあげるべきだと思っています。

問:現在のLong Techは自身の期待通りですか?

蘇氏:そうですね。とても満足しています。ですが、まだまだベンチャー企業だと思っていますし、目標とするグッドゲームカンパニーにはまだ遠いと感じています。

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課金は後から。先ずはゲームを作る!

問:創業から今に至る5年間を振り返ってどうですか?

蘇氏:2つの時代に分けましょう。1つ目は『Last Empire – War Z』時代、もう一つは『ラストシェルター』時代です。

『Last Empire – War Z』時代の前半に2つSLGタイトルを作っていました。第二次世界大戦モノと三国志モノです。台湾でリリースしましたが、数字はよくありませんでした。

Last Empire – War Z』はリリースしてすぐにヒットした、と思われる方も多いかもしれませんが、実はリリースしてから半年はずっとチューニングをしていました。また、マーケティングも経験が少なかったので多くの失敗をしました。

その後、絶えず総括を行い、問題の解決、認知の蓄積を行うことで新しいチャンスを掴み『ラストシェルター』に繋がった、という感じです。

これまでSLG以外にも、色んなジャンルのゲームに取り組んでおり、コンソールゲーム、MOBA、サンドボックスなども試しました。


(『ラストシェルター』)

問:グッドゲームとはどの様なものですか?

蘇氏:ゲーム開発においては先ずはゲーム自身を作り込むことが必要で、課金要素は後から付け足していくべきだと思います。ゲームができたらユーザーに遊んで貰って、ユーザーが満足したらそこから課金要素を付け足していく。課金と言うのはユーザーが私達の努力に支払う対価だと思いますので。

問:後から課金要素を付け足すのは難しいという意見もあります。

蘇氏:課金となると、往々にして観点がズレがちです。課金要素はユーザーの利益を第一に考えずに設計されていることが良くあります。ユーザーのことを考えなければ、ユーザーもあなたのことを考えません

問:では、SLGタイトルをどの様に評価しますか?長期定着率が大事との見方もありますが。

蘇氏:短期がなくて、何が長期でしょうか。流出は必ず起きますよね。

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一緒に遊び、一緒に愚痴ることで、見えてくるもの

問:『ラストシェルター』は『Last Empire – War Z』に続いてゾンビ終末世界を描いています。どうして連続して同じモチーフにしたのですか?

蘇氏:『Last Empire – War Z』の後期にユーザーから自由に建築ができた方が面白い。という意見があり、我々もその意見に可能性を感じました。

ただ、実装するには難易度が高く、反対意見も少なくなかったので、既存タイトルに実装するのではなく、新しいゲームにその要素を入れることにしました。そうして出てきたのが『ラストシェルター』です。


(『ラストシェルター』の自由建築)

問:ユーザーの声から『ラストシェルター』が生まれたんですね。

蘇氏:そうです。ユーザーの意見は毎日目を通しています。価値の有るものは少ないので篩にはかけますが、それらを見なければ何も得ることは出来ませんからね。

問:どうやって価値の有る意見を拾い上げるのですか?

蘇氏:意見に目を通すと同時に考え続けることです。そして、ユーザーを含む、多くの人と意見と交換しています。

問:ストレートにユーザーに好みを聞くのはどうですか?

蘇氏:それはダメですね。ストレートに聞いても彼らは自分が何が好きなのか分かっていないですから。一緒に遊んで、一緒に愚痴ることでユーザーが本当に欲している体験が見えてきます


(『ライズオブエンパイアズ』)

問:『ラストシェルター』の後に中世ヨーロッパを舞台にした『ライズオブエンパイアズ』をリリースされました。新しい市場を開拓するのが上手だと思いますが、どうですか?

蘇氏:そんな事はありません。これは簡単なことで、映画と同じです。商業映画に飽きたら、ラブストーリーを観る。ラブストーリーに飽きたら文芸作品。というように一定の周期性をもってユーザーの要望は変わっていきます

ゲームだったら、PvP主体のゲームが多くなったらPvE主体のゲームを懐かしく感じますし、PvPもPvEも飽きてきたら、より複雑なコンソールゲームがやりたくなるでしょう。

問:では、最後に。中国パブリッシャー海外売上ランキングTop10の中でLong Techが一番若い会社だと思います。これだけ短期間でここまでの成果が出せたことをどうお思いですか?

蘇氏:少し臭く聞こえるかもしれませんが、まずユーザーの皆様の寛容な態度にお礼を言いたいです。そして、我々のような小さな会社でも、Googleプラットフォームを通じてグローバル市場に展開することができたので、Googleにも感謝しています。

後は会社のスタッフたち、業界の先輩、今の時代と国の発展といった環境にも感謝しています。20年間しっかりと努力して一流のゲームをユーザーの皆さんに届けることでお返しをしたいと思っています。

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当記事まとめ

■まとめ
Long Techは20年続くグッドゲームカンパニーを目指す
課金は後から。先ずはゲームを作る!
ユーザーの意見は毎日見る

関連情報

Long Tech会社HP:こちら
手游那点事インタビュー記事原文こちら


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