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【インタビュー】日本のRPGを作る技術で世界で勝つ!NextNinjaの戦い方とは?

インタビュー

自社開発・自社運営、代理店+インハウスの広告運用、積極的な海外展開は、昨今の中国ゲーム会社躍進のキーワードだ。

『グランドサマナーズ』『東方LostWord』と言った、良質なスマホRPGを作り続けている『NextNinja』も同じスタイルで日本から全世界に向けゲームサービスを行っていると聞き、『NextNinja』創業者兼プロデューサーの山岸氏にインタビューを行った。

『日本の面白いRPGを作る技術で海外進出を行う』と話す山岸氏が考える日本ゲーム会社の世界での戦い方とは?

日本の強みは面白いRPGを作る技術

■中国ゲームの日本進出について
ゲーム大陸:昨今の中国企業の日本進出についてどう思われますか?

山岸氏:そうですね、この流れは止まらないと思っていまして、正直僕一人でどうこうできる問題ではないですよね(笑 中国の凄い会社さん達が全力で日本市場に来ているので、日本勢は死んでしまうんじゃないか?というくらいの感じは受けています。ちょっと大げさですが(笑

中国のトップ企業は数千名規模ですが、僕たちの会社は110名です。ただ、ゲーム開発は人数が多ければ良いわけではないですからね。もちろん、中国の開発力も凄いですが、僕たちが長年培ってきた、面白いRPGを作る技術を使って、日本で作って、世界中で展開したいですし、それがミッションだと思っています。

なので、中国のゲーム会社が沢山来ようが、自分たちが世界中のお客様に楽しんでもらえる、面白いゲームを作り続ける、ということに変わりはないですね。


(『グランドサマナーズ』。北米欧州でも人気が高い。)

ゲーム大陸:なるほど、力強いですね。『自分たちのやることは変わらない』とのことですが、とは言え影響は大きくないですか?自分たちの作るものがブレたりしないですか?

山岸氏:影響は少なからずありますよ。例えばマーケティングの視点からすると、中国はとても大きな予算できますよね。しかもそういった中国ゲームは本国でリクープした状態で日本に来ます。日本単体でみたら赤字なんじゃないか?というくらいの規模のマーケティングをガンガン仕掛けてくるところもあります。

例えば、中国企業が数十億円のマーケティング予算をかけたので、うちも数十億円のマーケティング予算をかけよう。という戦い方をしてはいけない、と思っています。そうすると資本の論理で資本が大きいほうが勝つに決まっていますからね。

でも、ゲームはそれだけではないですよね。例え予算が中国企業より少なかったとしても、特定のお客さんに刺さるクリエイティブであったり、ゲームを提供することができれば、全然変わってきます。なので、そういうところを重視してやっていきたいと思っています。

ゲーム大陸:流石開発を続けてこられた山岸さんとあって芯の強さを感じました。『自分たちのやることは面白いゲームを日本、そして海外に届けること。』という考えは中国勢の躍進の最中悩み抜いてでてきた答えなのでしょうか?それともそう言った流れとは関係なくあったお考えなのでしょうか?

山岸氏:悩むことはほぼなかったです。凄いな!とは思いますが、作っているものが違いますからね。凄い!と思っても、今自分達が作っているゲームが変わるものではないですからね。

ゲームを見る時も、それが中国のものなのか?とか日本のものなのか?という見方はしていないですし、良いものはどこのゲームでも称賛されるべきだと思います。

ゲーム大陸:なるほど。やはり毎日自分たちでゲーム作りをしているから考えがブレないのですね。では、中国ゲームが日本市場でヒットしている要因はどこにあるとお考えですか?

山岸氏:中国の厳しい競争の中でお客さんに受け入れられた、競争に勝ったゲームが日本に来ていること、既にリクープしていて強気なマーケティング予算を割けることゲームデザインがバラエティに富んでいることが上げられると思います。

日本ではまだなかったゲームデザイン、まだ流行っていなかったゲームデザインのゲームもありますからね。こういったゲームは新鮮味を持ってお客さんに伝わっているんだと思っています。

ゲーム大陸:中国ゲームにあるバラエティに富んだゲームデザインは日本企業も追従する必要があると思いますか?

山岸氏:フラットに考えて、それがとても面白いシステムで、自分たちが作りたいゲームにマッチしていれば、取り入れれば良いと考えています。もしくは一緒に開発をするのも手ですよね。

ただ、これは中国のゲームだから、という訳ではなく、面白いゲームか?新しいゲームか?が大事なのだと思います。

RPGのカテゴリキラーになる

■日本ゲームの海外進出について
ゲーム大陸:『日本で作って、世界中に展開したい』とおっしゃっていましたが、NextNinjaさんの海外展開に関する考え方をお聞かせください。

山岸氏:僕たちは『RPG』という切り口を重要視しています。日本はRPG大国でRPGばっかり作っているんですが、実は世界に目を向けてみると、RPGを作っている国というのは少ないんです。ヨーロッパ市場でこの数年伸びているスマホゲームジャンルはSLG、パズル、RPGとありますが、中でもRPGジャンルは特に伸びているんです。

日本のRPGは寡占状態かもしれないですが、グローバル市場に目を向けるとまだまだ伸び代があるんですよ。そして、RPGを作っているデベロッパーが少なく、日本が培ってきた面白いRPGを作る技術は世界でも通用する。しかも、作っている人が少ないのでより目立ちます。

なので、僕たちは海外でのRPGジャンルにおけるカテゴリーキラーになりたいと思っています。

後、RPGジャンルやIPものというのは海外市場ではニッチかもしれないですが、グローバルニッチとして見るとかなり大きな市場となります。なので、僕たちはそこを狙いにいっています。

シンプルにお答えすると、『やることは変わらない。』となりますね。

ただ、海外に出るに当たって考えていることはあります。例えば、ゲーム開発は企画書から始まりますが、最初の企画書の一枚目から『普遍的なテーマであるか?』『海外で受けるものか?』『日本人にしかわからない要素が多くないか?』など海外展開を意識した企画にする様にしています。

全てできあがった後に、海外に出そう。とやっているのではなくて、最初から海外ありきでやっています


(『東方LostWord』)

ゲーム大陸:なるほど。海外展開となると、中国ゲームは大体の場合において、リリース前にCBTを行いますが、NextNinjaさんのタイトルも同じ様にCBTを踏まえて正式サービス開始となるのでしょうか?

山岸氏:中国ではCBTが当たり前ですが、これはマーケティングの要素も多分にあると思っています。ただ、僕たちはCBTが必ずしも良いとは限らないと思っています。というのもRPGはお話しやキャラクターがとても重要なのですが、CBTをやることでネタバレになってしまうからです。

『東方LostWord』も正にそれで、半年以上事前プロモーションとして毎日18時ちょうどにTwitterで音楽やキャラクターなど情報出しをしていたのですが、ストーリーだけは絶対に出さなかったんです。お客さんからも『で、どんなゲームなの?』という声は良く届いたんですが、そこだけは敢えて伏せていました(笑

とは言え、リリースする前にゲームを少しでも好きになって貰う、興味を持ってもらう必要があるので、ネタバレを回避しつつも情報をしっかりと届けてお客さんとのコミュニケーションを取るようにしています。

(毎日18時に投稿されていたTwitterの盛り上げ施策)

ゲーム大陸:ゲームの見せ方という部分ではプロモーション担当の方も一緒にプランを練るのですか?

山岸氏:はい、そうですね。グッスマさん含めみんなで考えています。さっきの話しじゃないですが、事前プロモーションとして行っていたTwitterの毎日18時更新施策は、リリース前からお客さんの興味を引き、18時にTwitterを見ることを習慣化することで、接触ポイントを増やすことができました。

そして、毎日18時にいつ来るか、いつ来るか、と楽しみにしていたゲームが4月30日の18時にリリースされることで、盛り上がりがピークに達した状態でサービスをスタートすることができました。

この施策はとても良かったと思っていますが、毎日ネタ出しをするのは正直かなり大変でしたね。お客さんに喜んでもらえたことが救いですね(笑

ゲーム大陸:なるほど(笑 プロモーションにおいて自分の考えた施策がすぐに実現できる、という意味ではとても魅力的ですよね。

山岸氏:ありがとうございます。『東方LostWord』もリリースがコロナウィルス感染拡大の真っ只中だったので、リモートで行う作業も多く大変だったのですが、開発、運営、プロモーションとみんなで一致団結して事前からリリースまでやり遂げました。

パート2に続きます!(パート2はこちら)

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