< img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=365747594103154&ev=PageView&noscript=1" />

【業界動向】中国ショートドラマ市場、月間ユーザー7.18億人に到達——AI漫画動画が新たな戦線に

中国ゲーム市場動向

QuestMobileが発表した「2026年ショートドラマ業界洞察レポート」によると、2026年2月時点で中国のショートドラマ市場の月間アクティブユーザーは7.18億人に達した。独立アプリが3.35億人(前年比+74.3%)、WeChatミニプログラムが4.27億人(同+59.9%)と、いずれも高成長が続いている。

■要点まとめ
・ショートドラマ市場の月間アクティブユーザーが7.18億人に達し、主流コンテンツとして定着
・紅果免費短劇のMAUが3.04億人に到達、2年半で1000万人から急拡大し業界構造を塗り替える
・AI漫画動画(AIで生成したイラスト調ショートドラマ)が第三のフォーマットとして急浮上、ByteDance・Tencentが参入

2026年ショートドラマ業界トレンド概要|出典:QuestMobile

市場構造が成熟フェーズへ

ショートドラマ市場は5年以上にわたる技術投資と施策整備を経て、コンテンツの質向上・規範化へと舵を切っている。コンテンツ審査・放送規制を担う政府機関である国家ラジオテレビ総局(国家广播电视总局)の規制強化により、初期の無秩序な状態を脱し、コンテンツ品質を核心とする成熟した発展段階に移行した。産業バリューチェーンは、上流のIP・原作、中流のAI活用制作、下流の多様な配信チャネルへと分化が進んだ。

デジタル小説プラットフォームが「脚本ライブラリ」として機能し、ネット小説IP原作のショートドラマは流入・評価の両面で優位に立ちやすく、ヒット作の確率を高めている。デジタル読書プラットフォームの業界流量はすでに4.9億人に迫る水準に達しており、IP調達の基盤として機能している。

ショートドラマアプリ・WeChatミニプログラムのMAU推移(2025年2月→2026年2月)|出典:QuestMobile

紅果免費短劇が業界を再編

アプリ市場では紅果免費短劇(ByteDance系)が圧倒的な存在感を示している。2026年2月のMAUは3.04億人、2年半で1000万人規模から3億人超へと急成長し、長動画・短動画プラットフォームを含む競合他社の構造を塗り替えた。

ユーザー構成を見ると、アプリ・ミニプログラムともに男性が約60%を占め、性別偏向が明確だ。年齢層ではアプリ利用者の41〜45歳のTGI(偏好指数)が169.0と最も高く、中年層への訴求力が際立っている。一方ミニプログラムでは51歳以上が31.2%と最大のセグメントを形成しており、高齢者層への浸透が顕著だ。

ショートドラマアプリの高齢者層(50歳以上)月間利用者は4,653万人(前年比+50%)に上り、河馬劇場が高齢者層ユーザーのうち約60%に浸透している。都市規模別では、アプリは地方都市圏ユーザーが55.2%と多い一方、ミニプログラムは大都市圏ユーザーが50.6%とやや多く、チャネルによって利用層が異なる。

ショートドラマアプリ・WeChatミニプログラムのユーザー属性(性別・年齢・都市規模)|出典:QuestMobile

AI漫画動画が第三の戦線に

2026年の最大の変化として、AI漫画動画(AIで生成したイラスト調のショートドラマ)が独立したカテゴリとして急浮上した。縦画面・横画面ショートドラマに次ぐ「第三の主流フォーマット」として、主要プラットフォームが一斉に参入している。

  • ByteDance(抖音グループ):紅果免費漫劇アプリを先行リリース。AI動画生成モデル「Seedance 2.0」を制作の技術基盤に活用。公開から4ヶ月でMAU2,400万人、1日あたり平均利用時間1.5時間超
  • Tencent(騰訊):独立漫画動画アプリ「火龍漫劇」を正式リリース。中文在線とアニメ系ショートドラマの調達契約を締結しIP供給を強化。2026年3月31日時点のDAUが95.9万人
  • Baidu(百度):漫画動画アプリ「柚漫劇」を投入。傘下コンテンツプラットフォームの七猫も「七猫漫劇」をリリースし、10万作品超のネット小説IPの漫画動画化権を開放
  • 閲文集団:「火種計画」を発表し、IP開放・研修・資金支援でAI漫画動画を強化。AIGC制作ツール「漫劇助手」も提供
  • 快手:春節に初のAI年賀アニメ短編集『馬上有戯』を公開。AI動画生成ツール「可灵3.0」でキャラクター一貫性・自動絵コンテ技術が大幅向上
  • iQIYI(愛奇藝):漫画動画チャンネルを開設し、AI劇・AIアニメ・動態漫画・コメディ漫画など多様なフォーマットを集約
  • 優酷:漫画動画チャンネルを開設し、末日サバイバル・仙侠・SFメカ・女性主人公の4ジャンルにわたる24作品のラインナップを一括発表
  • 美団:メインアプリ内に漫画動画セクション「飯団漫社」を開設。全コンテンツ無料で、いいね・コメント・ブックマーク・弾幕などのインタラクション機能を搭載

AI漫画動画は特に男性ユーザーへの訴求が強く、紅果漫劇の新規ユーザーの約50%が紅果ショートドラマアプリからの内部誘導で獲得されている。

主要企業のAI漫画動画事業展開|出典:QuestMobile(2026年4月、公開情報をもとに整理)

ブランドマーケティングも進化

ショートドラマを活用したブランドプロモーションは、単純な製品露出からエコシステム融合型へと高度化している。

  • 康師傅(カンシーフー):人気IP「唐朝诡事録」の出演者を起用した定制ショートドラマを制作、公式・非公式双方のトラフィックを獲得
  • 丸美:ブランドライブ配信とショートドラマIPを連動させ、キャラクターが役のままリアルタイム対話する購買導線を構築
  • 快手:美団・JDとの連携で「ドラマを見ながら注文」するコマース連動モデルを実験中

海外展開も引き続き成長余地が大きく、国内市場で培った制作・配信インフラが競争優位として機能しつつある。現地オリジナル脚本の比率も段階的に高まっており、単なるコンテンツ輸出から現地市場開拓へと戦略が移行している。

まとめ

中国のショートドラマ市場は「7億人規模のマス市場」へと成長し、若年層から高齢者層まで年齢を問わず浸透が進んでいる。今後の焦点は、AI漫画動画を軸にした技術競争と、ブランドマーケティング・コマース連動などによる収益多様化にある。ByteDanceの紅果が圧倒的なスケールで業界構造を変えつつある中、Tencent・Baidu・閲文・快手・iQIYI・優酷・美団がAI漫画動画の新戦線で競合し、中小プラットフォームへの圧力は今後も続く見通しだ。

関連情報


※本記事の金額換算レートは1元=22円を使用しています。