プラチナゲームズやマーベラスへの出資など日本ゲーム企業に対しても積極的に投資を行う中国ゲーム最大手テンセントは中国国内でも数多くのゲーム系企業に出資を行ってきた。
有名どころだけでも『KOF’98 UMOL』のOurpalmやHappy Elements、『ドラブラ』開発元のArchosaur Games、Shengqu Gamesを有する世紀華通、bilibili、HUYA、DouYuなどに出資している。
これらテンセントが中国ゲーム系企業に行った投資案件を、中国ゲームメディア『遊戯茶館』がまとめているので紹介したい。
Ourpalm、Cheetah Mobile 、Happy Elementsにも出資
テンセントは公開されているだけで北京を中心とした華北地域のゲーム系企業17社に投資している。
同社はPCソーシャルゲームが盛んだった2007年頃からゲーム開発会社への出資を積極化させており、PCソーシャルゲームのトレンドがPCブラウザゲームに移行した後も、これら開発会社が北京に集中していたこともあり、華北地域の会社への出資案件が多くなっている。
当時、PCブラウザゲーム事業を行っていたOurpalmやSince Timesへは2013年前後に投資を行っている。
これら華北地域でテンセントの投資を受けた会社で実務レベルの協業が多く行われている会社はOurpalm、Archosaur Gamesなどが上げられ、両社共に大作はテンセントが配信を行っている。
Ourpalm、Cheetah Mobileは既に上場を果たしており、Archosaur Gamesは香港で上場準備、Happy Elementsは中国A株上場申請中、Since Times、Pixel Soft、Game Leyは店頭株式市場である新三板にて株式公開している。
MCN、ライブ動画大手にも出資
テンセントが本社を置く深センを含む、広東省を中心とした華南地域にはテンセントから飛び出して創業した会社も多く存在する。
この地域の特徴として、iDreamSkyや西山居と言ったゲーム事業会社以外に、ライブ動画プラットフォームのHUYA、動画配信タレント事務所(MCN)の小象大鹅などへの投資が多い点が上げられる。
上海ではbilibili、Shengqu Gamesに出資
投資案件数では華北地域、華南地域には及ばないが、Shengqu Gamesとbilibiliという中国ゲーム業界を代表するトップパブリッシャー2社に出資したことは非常に大きな意味を持っている。
Shengqu Gamesとは実務面での協業も多く、『ドラゴンネスト』『伝奇シリーズ』など中国で人気の高いMMOタイトルの配信をテンセントが行っている。
成都を中心とした華西地域では『電撃文庫:零境交錯』の91Act、『VGAME』の開発元Fanpas、HUYAと中国ゲーム系ライブ配信サービスを二分するDouYuなどゲーム系6社に投資している。
『クラロワ』のSupercell、『League of Legends』のRiot Games、『フォートナイト』や『Unreal Engine』のEpic Games、Netmarbleからアクティビジョン・ブリザード、Ubi Soft、『PUBG』のBlueholeまでテンセントが世界的なトップ企業に出資をしてきたことは既報の通りだが、中国国内でも大小問わず多くの投資を行っていることが分かる。
ゲーム事業はボラリティが高く、打席に多く立つこと(ゲームを多く出すこと)が重要とも言われるが、投資案件に関しても幅広くポートフォリオを組んでいることが分かる。
今のテンセントからすると、日本のゲーム会社への出資を積極検討することは自然な流れだろう。プラチナゲームズやマーベラスに続き、テンセントと資本関係を結ぶ会社が出てくるか、今後の動向に注目したい。
本記事まとめ
■まとめ
・テンセント中国で44社以上のゲーム系会社に出資
・Shengqu、Ourpalm、Happy Elementsなどゲーム大手
・HUYA、DouYuライブ動画大手まで多数
関連情報
遊戯茶館記事:こちら
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