『アーチャー伝説』が世界的なヒットを記録しているHabby(海彼網絡)の創業者兼CEOの王嗣恩氏が中国ゲームメディア『遊戯葡萄』のインタビューに応えたのでその様子を紹介したい。
当インタビューではHabbyの会社規模からゲームリリースの基準や考え方、『アーチャー伝説』の開発コストや開発期間など実情を余すところ無く話している。
以下、一問一答形式に要約している。
自分の考えと実現力を兼ね備えるのがプロデューサー
遊戯葡萄(以下、問):Habbyはいつ創業した?
王氏:2018年初頭。前職のCheetah Mobileを2017年に辞めてから創業した。
問:Habbyとは?
王氏:『Happy+Hobby』。ゲームは面白さだけでなく、趣向性が入り口になると考えているから。
問:Habbyの規模は?
王氏:50名前後。『アーチャー伝説』は3作目。
問:開発は自社か?
王氏:参画はしているが、プロデューサーが中心となっている。開発チームはプロデューサーのアイデアを実現する。
問:プロデューサー選定の基準は?
王氏:2つ。一つは独自の考えがあるか。もう一つは実現能力があるか。
アーチャー伝説の開発期間は1年
問:『アーチャー伝説』のパフォーマンスは中国と海外市場とで違いはあるか?
王氏:あまり無い。
問:中国市場をどう見る?
王氏:カジュアルゲームにとって中国iOS市場は海外市場よりも環境が良い。競争がそれほど激しくない。
Android市場は広告からの収益化が難しいので、大手端末メーカーが広告機能を開放することを望んでいる。
問:『アーチャー伝説』の広告とアイテム課金の比率は?
王氏:時期によるが海外ではアイテム課金が多い。
(『アーチャー伝説』)
問:『アーチャー伝説』のようなミッドコアゲームの開発コストは?
王氏:1.5億円以上
問:ハイパーカジュアルゲーム市場をどう見る?
王氏:チャンスは有るが、利益を出すのが益々難しくなってくる。
そして、Habbyのゲームはハイパーカジュアルゲームではない。我々のゲームは全て半年~1年以上開発をしている。『アーチャー伝説』も1年近く開発した。
問:ゲーム配信の頻度は?
王氏:配信日程ありきではない。ゲームが仕上がったらリリースする。
カジュアルゲームとミッドコアの間に市場あり
問:Habbyはどこを狙っている?
王氏:カジュアルとミッドコアの間。
問:タイトルのリリース基準は?
王氏:翌日継続率50%以上。
問:リリース後のプロモーションタイミングは?『ペンギンの島』は8月末にグローバルリリースしたが、まだ大規模プロモーションが無い。
王氏:タイトルの数値が基準に達した後にプロモーションをかける。
問:全ての数値か?
王氏:課金、継続率、プレイタイムなど
問:リリース後にユーザーテストをしている様なもの?
王氏:そうだ。ゲームを長生きさせたい。だからできる限りのチューニングを行う。
問:ジャンルにこだわるか?創意工夫が基準なのか?
王氏:カジノ要素はOKだが、カジノゲームはやらない。マッチスリーなど既に飽和しているものもやらない。
問:リリース基準の数値は全てのジャンルで統一されている?全て翌日継続率50%以上?
王氏:そうだ。
王氏のインタビューを見て、バランス感覚に優れた強い信念を感じた。『アーチャー伝説』の大ヒットで波に乗る同社が狙う『カジュアルとミッドコアの間』が成熟するスマホゲーム市場どの様な影響を与えるのか、今後の展開が楽しみだ。
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インタビュー原文:こちら
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