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【規制】AIとの「感情的なやりとり」に初規制——7月施行、違反で最大約44万円

規制情報

中国のゲーム法務専門メディア・諾誠游戯法(诺诚游戏法)が、2026年4月第3週の規制・法務トピックをまとめた。AIキャラクターとの感情交流機能への初の専門規制が公布されたほか、プレイヤーへの制裁措置をめぐる裁判例と、無許諾サーバー運営の著作権侵害案件が取り上げられている。

AI感情交流サービスに初の専門規制——7月15日施行、違反で最大約44万円の罰金

2026年4月10日、国家互聯網信息弁公室(网信办)は国家発展改革委員会・工業情報化部・公安部・国家市場監督管理総局と共同で「人工知能擬人化互動サービス管理暫定弁法」(人工智能拟人化互动服务管理暂行办法)を公布した。施行は2026年7月15日。AI感情交流・バーチャルパートナーといった「継続的な感情インタラクション」を提供するサービスを規制対象とする、中国初の専門規制となる。スマートカスタマーサービスや知識Q&Aなど感情インタラクションを伴わないサービスは対象外だ。

規制の柱は4点ある。第一に、登録ユーザー100万人超または月間アクティブユーザー10万人超のサービスには、省レベルの互聯網信息弁公室への安全評価報告書の提出を義務付ける。第二に、未成年者へのバーチャル恋人・親族関係サービスを全面禁止とし、14歳未満への提供には保護者の同意を必要とする。第三に、連続利用2時間超でアラートを表示し、依存を誘導する設計を禁じる。第四に、サービス全体を通じてAIであることの表示を義務付ける。違反した場合の罰金は最高約44万円(20万元)だ。

ゲーム会社への影響という観点では、高い写実性を持つAIキャラクターや長期的な感情育成システムを搭載したゲームは、これまでのゲーム規制に加えて本規制への対応も求められることになる。施行まで約3ヶ月あるが、対象となり得る機能を持つ会社は早期に自主点検を進めておくことが望ましい。

ゲーム内の暴言による制裁処分——裁判所がプラットフォームの対応を適法と認定

広東省広州市中級人民法院が公表した消費者保護の典型事例に、ゲームサービス内の制裁措置をめぐる訴訟が含まれていた。

ゲーム内で侮辱的な発言や規約違反の取引情報を繰り返し発信したプレイヤーが、運営会社から2度の発言制限処分を受けた。このプレイヤーが「サービスの一部停止にあたる」として損害賠償を求めて提訴したが、裁判所は請求を全面棄却した。

裁判所の判断のポイントは「処分はサービス停止ではなく、規約違反者への権利制限」という整理だ。利用規約に禁止行為と処分権限が明記されていた以上、運営会社の対応は適法な契約履行にあたると認定された。

この事例は、禁止行為と段階的な処分内容(警告・制限・アカウント停止等)を利用規約に具体的かつ目立つ形で記載しておくことの重要性を改めて示している。

無許諾サーバー運営による著作権侵害——刑事・民事の同時対応で賠償と処罰を両立

上海市虹口区人民法院が、『伝奇(传奇)』の著作権を侵害する無許諾サーバー運営事件の判決を下した。被告は権利者の許諾なくサーバープログラムを購入・借り受け、同名タイトルを模した名称で違法に運営し、プレイヤーからの課金で不法に得た収益は約40万円(18万元超)に達した。プログラムの鑑定では正規ゲームとの類似度100%が確認されている。

本件の特徴は刑事訴訟と民事訴訟を同時に進めた点だ。被侵害権者である盛趣游戯が刑事附帯民事訴訟を提起し、法廷での和解により被告は侵害を認めて約40万円(18万元)の損害賠償を全額支払った。裁判所はこれらの事情を考慮し、著作権侵害罪として懲役1年6ヶ月(執行猶予1年6ヶ月)・罰金約33万円(15万元)を言い渡した。

従来の「刑事優先・民事は後回し」という対応では、権利者が判決を得ても損害の実際の回復が難しいケースが多かった。刑事附帯民事訴訟は追加のコストを抑えながら賠償請求を同時に進められるため、無許諾サーバーやチートツールなど悪質な侵害への対抗手段として注目されている。証拠収集の段階から不法収益額を証明できる資料を確保しておくことが、この手法を活用する上での鍵となる。

まとめ

今週の規制・法務動向で最も注目すべきはAI感情交流サービスへの専門規制の公布だ。7月15日の施行に向けて、感情育成・AIキャラクター機能を持つゲームの開発・運営会社は対象範囲の確認と自主点検を早急に進めることが求められる。裁判例の2件はいずれも、利用規約の整備と権利保護の実務面でゲーム会社に示唆を与えるものだ。

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参照元:こちら

※レート注記:記事中の円換算は1元=22円で計算しています。

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