日本ではテンセントゲームズが配信を予定しているオープンワールドMMORPG『コード:ドラゴンブラッド』の開発元『祖龍』の創業者である李氏に中国のゲームメディア遊戯葡萄がインタビューを行った。
中国では『龍族幻想』としてリリースした同作の現状や、UnityからUnreal Engine 4に切り替えた理由、オープンワールドMMORPGの問題点から自社の状況まで、インタビューの要点をまとめて以下に紹介したい。
MMORPGの開発費は30億円超!
(祖龍創業者 李氏)
■『龍族幻想(日本名 コード:ドラゴンブラッド)』に関して
– 想像以上に若者ユーザーが多かった
– 初速の新規流入が凄く多く、テンセントのMMORPGタイトルの中でも過去最高となった
– 課金システムはリリース前2ヶ月調整を行った
– ただ、伝統的なMMOの課金システムの域を出ていなかった
– 若者ユーザーが大半を占めるゲームでは課金が深すぎた
– オープンワールド度合いは50%くらい
– ベースは従来のMMO
(『龍族幻想』)
■MMORPGに関して
– 従来のMMORPGは徐々に若者離れが進んでいる
– ただし、ニーズはまだまだある
– MMORPGの開発は32億円は下らない
– 次作はより若者を意識したオープンワールドMMOを作る
– 高DAU、低ARPU型でコアなバトル体験とパーティの共闘を強調する
■オープンワールドMMOに関して
– オープンワールドMMOの最大の難点は定着率
– ゲームプレイが散ってしまうと、ユーザーの目的が定まらない
競争力獲得のためUE4導入を決意
■祖龍に関して
– 祖龍のUnityの技術水準は中国最高レベルだった
→ただし、2016~17年頃には他社も同レベルに追いついてきた
– 競争力獲得のため、『UE4の導入』と『オープンワールドゲームの開発』を決めた
– 海外配信は一部自社でチャレンジしている
– 『Dragon Raja』というタイトル名で出した『龍族幻想』の欧米版もリリース初日に米国App StoreのダウンロードランキングTop5入りするなど良好なスタートとなった
– 開発人員は800名規模
– 会社全体だと1000名程度
– 今後は外部に切り出せる仕事は外注にするか検討中
– 成都と長春にもデザインチームを持っている
– 2,3の大型プロジェクト、2,3の小型プロジェクトが同時に進行している
– 待遇は貢献度に合わせている。貢献度が多ければ得るものも多い
(『龍族幻想』)
■Unreal Engine 4に関して
– 2017~18年当時のスマホスペックではUE4を用いて複数キャラクタ、多量のポリゴン、複雑なアクションなどを動かすことが難しかった
– UE4の2次開発の必要もあり、Epicから技術者を1週間派遣して貰うなどの対応も行った
– 2019年の2,3月頃にはiPhone6上でも動かせるようになり、一安心した
– 今後はグラフィックの要求が低いプロジェクトは別として、UE4を多く使っていきたい
– UE4はデザイナーのロジカルシンキング能力の要求がとても高い
– UE4の開発フローは煩雑
– デザイン制作コストはこれまでのプロジェクトの倍近くかかる
(『龍族幻想』)
関連情報
遊戯葡萄インタビュー原文:http://youxiputao.com/articles/19527
『コード:ドラゴンブラッド』公式:http://www.codedblood.jp/prereg.html