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【分析記事】アーチャー伝説の再来!?ハイブリッド課金Art of Warの成功・失敗事例とは?

分析記事

『アーチャー伝説』の世界的なヒットにより注目を集める、広告課金+アイテム課金のハイブリッド型カジュアルゲームだが、中国『89Trillion(九鼎无双游戏)』が開発・運営を行う『Art of War』が全世界3000万ダウンロードと好調だ。

同社のマーケ・運営責任者が語ったハイブリッド型カジュアルゲームの課金ポイントの成功・失敗事例とは?

『Art of War: Legions』とは?

『アーチャー伝説』に続くハイブリッド型カジュアルゲームとして注目が集まる『Art of War: Legionsの概要は以下の通り。

タイトル:Art of War: Legions
開発・運営:89Trillion
リリース日:2019年9月
累計DL数:3000万
累計売上:16億円
主要市場:北米、英国、日本

同作は『課金ポイント=ゲームデザイン』であると考え、ゲームデザインを行う上で最も重要な要素として、ユーザー属性、ユーザーニーズ、ユーザーフィードバックの3つの観点から開発を行ったと言う。

また、ユーザーを4つのレイヤーに分け、各レイヤーのユーザーがゲームに何を求めているのかを明確にした。

■各ユーザー層のニーズ
非課金層:直ぐ上達したい。暇つぶし。
課金するかもしれない層:多くの遊び方とコンテンツを追求。
微課金層:育成、収集。カスタマイズ性。
中課金層:自己顕示欲、ギルド戦。

そして、これら分析を行った結果、ハイブリッド課金が最適であると判断したという。

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『Art of War』の課金設計のポイントは?

『Art of War』は兵士の配置と対戦の面白さがゲームのコアとなっており、課金ポイントもこの2つを中心に設計されている。

■Art of Warの課金設計2大ポイント
・戦力を如何に高めるか?戦力を如何に素早く高めるか?
→ 英雄・レア兵士の獲得方法
・ランキングトrフィーを如何に多く獲得するか?

この考えを元に課金設計のA/Bテストを行い、以下の結論を得たという。

■カジュアルゲームの課金設計で大事なこと
課金ポイントが多ければ多いほうが良い訳ではない
過去の成功モデルが今日通用する訳ではない
・A/Bテスト中も広告は出し続けユーザー量を一定に保つべき
・レビューやメールなどユーザーフィードバックに即刻対応するべき

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広告課金モデル成功・失敗例

『Art of War』の広告課金の成功例は大きく以下の3つがあるとしている。

【成功例①】獲得報酬が3倍
ステージクリア後に表示され、動画広告を視聴すると3倍の金貨が得られる仕組みになっている。このリワード型動画広告は平均76%のユーザーがクリックしており、リリース以来、広告効果が一番高いと言う。

また、今の表示形式に至るまでにも細かな調整を繰り返しており、ユーザーの操作性の観点から、広告動画視聴ボタンを右側に配置したほうがクリック率は高くなるが、誤クリックする可能性が高いため、左側に配置するようにしたという。


(広告視聴で戦力を効率的に高めることができる設計になっている。)

【成功例②】無料で金貨獲得
2つ目も同じくリワード型動画広告で、アイテムショップ内のボタンから広告を視聴することで1日3回まで無料で金貨が得られるしくみになっている。この動画広告は平均して43%のユーザーがクリックしていると言う。

また、当初は1日の視聴回数を5回にしていたが、平均して2,3回しかクリックされていないことが分かり、視聴上限を3回に変更したところ、クリック率が高くなったと言う。

【成功例③】宝箱の時短
これもまたリワード型動画広告で、広告視聴で兵士や英雄の宝箱開放の時間を短縮することができる。この動画広告は平均して25%のユーザーがクリックしている。

(左:兵士宝箱時短 / 右:無料金貨獲得)
また、これら広告課金モデルの成功事例の他に失敗事例として、メイン画面左側に常設した動画広告視聴アイコンを上げ、ユーザーがゲームを進めるにつれ、メイン画面に滞留する時間が少なくなることから効果が悪かったという。
他には、広告視聴で戦闘速度を2倍にする方法も試したが、多くのユーザーが求める施策ではなかったため、クリック率は良くなかったという。
これら、広告課金モデルは全てリワード型動画広告となっており、設計思想は強制的に動画が再生されるのではなくユーザーが自主的に広告を視聴する点に重きが置かれている。また、ユーザーが広告を視聴する目的は効率的にレベルを上げる点に絞られている。[ad]

アイテム課金モデル成功例

上に『Art of War』の広告課金モデルの成功・失敗例を上げたが、もう一つの課金要素である、アイテム課金の成功例を紹介したい。

【成功例①】ルーレットイベント
ルーレットを回すことで英雄や英雄のかけらを獲得することが出来る。ルーレットを回している間にダイヤが足りなくなると課金衝動が高くなる。平均して21%のユーザーがルーレットイベントを通じて課金画面に遷移している。同社では、コンバージョンレートと最終的な課金額の比率を運営指標の一つにしていると言う。

【成功例②】初回チャージで英雄獲得
メイン画面に初回チャージで英雄獲得への動線を常駐させる。新規ユーザーを対象にした施策で、初回チャージでレジェンド級の英雄が獲得できるとあってユーザーの評価は高いと言う。平均して72%のユーザーがクリックしている。

【成功例③】初心者ギフトパック
アイテムショップに常設されている初心者ギフトパック。他のゲームでも良く見られる手法を踏襲。これ対象は新規ユーザーで、初回課金の障壁を低くする狙いがあり、平均して47%のユーザーがクリックしている。


(左:初心者ギフトパック / 右:初回チャージ英雄獲得)

【成功例④】PvP報酬ブースト
PvPで得られるトロフィー数がより多くなるアイテム。このアイテムを購入することでPvP上限増加などトロフィー獲得数増加以外にも特典がある。平均して32%のユーザーがクリックしており、課金だけでなく7日以降の中長期継続率にも効果があるという。

当記事まとめ

■まとめ
広告は多ければ良い訳ではない
動画広告は強制再生しない
ユーザー目的に即した広告配置
アイテム課金は既存タイトルを踏襲

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関連情報

引用元『爱写稿的罗斯基』記事:こちら

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