4月25日、中国ゲーム市場のデータ分析を行う『CNG(伽馬数据)』は2019年1月~3月の中国スマホゲーム市場の売上規模、売上ランキングTop10などをまとめたレポート『2019年1~3月移動遊戯報告(内部版)』を発表した。
当レポートによると2019年Q1の中国スマホゲーム市場の実際の売上規模は5854.4億円(365.9億元)に上り、前年同期比で18.2%の増加、前期比で4.7%の増加としている。
*海外産スマホゲームを含む全てのスマホゲームが対象。iOS、Android、ジェイルブレイク版などの売上を、『CNG』の調査・分析、上場企業の決算資料、ランキング計測、ベンチマークアプリからの抽出などの方法により算出。
*単位は億元。
Top10は長期タイトルが寡占
2019年1~3月の中国スマホゲーム売上ランキングTop10は以下の通りだ。
『Perfect World』が開発を行い『テンセント』がパブリッシングを担当する『完美世界 手游』が新作として唯一Top10入りしているが、その他は全て既存タイトルと、Top10タイトルの多くが長期運営タイトルとなっている。
また、『NetEase』のターン制RPG3タイトルを除けば、全て異なるジャンルのゲームがTop10に名を連ねており、中国のスマホゲーム市場の細分化が進んでいることが見て取れる。
新規タイトルの不振
2019年1~3月の間にリリースされたスマホゲームの内、売上ランキングTop50入りした新規タイトル数は3本と、前年同期の8本から大幅に減少した。
直近1年の新規タイトルがリリース初月に売上ランキングTop30入りした本数をまとめた以下のグラフを見てみると、四半期ごとの推移からも新規タイトルの不振が続いていることが分かる。
『テンセント』『NetEae』のシェアから見る戦略の違いとは?
中国の2強である『テンセント』と『NetEase』の中国スマホゲーム市場におけるシェアは以下の通りだ。
(青:テンセント 黄:NetEase グレー:その他)
2019年1~3月の『テンセント』『NetEae』両社の売上げランキングTop50に占める全体シェアは微減ではあるものの、『テンセント』が約50%、『NetEase』が20%強と全体の7割近くを占めている。
(青:テンセント 黄:NetEase グレー:その他)
上図は売上Top30の『テンセント』『NetEase』『その他』の運営タイトル数と開発タイトル数のシェアを表している。
売上Top30の運営タイトルのシェアは『テンセント』が約7割、『NetEae』が約1割、『その他』が約2割となっている。
開発タイトルのシェアは『テンセント』が約2割、『NetEase』が約1.5割、『その他』が6割強となっており、『テンセント』は自社開発だけでなく、代理パブリッシングにも力を入れいるのに対し『NetEase』は自社開発自社運営を中心に事業展開を行うという両社の戦略の違いが見て取れる。
中国スマホゲーム市場において新規タイトルが不振に陥っている要因として、中国政府のゲーム配信許認可『版号』の審査が止まっていた事による新規タイトルの総数減少と、中国のスマホゲーム市場全体の停滞による人気タイトルの長期寡占化が考えられる。
『版号』審査が正式に再開されたとは言え、新規タイトルが直面する状況は依然厳しいものがあり、『テンセント』『NetEase』の2強体制は簡単に崩れそうもない。
海外展開が突破口として出てきているが、その他にも新しい市場が発見されるのか。厳しい国内競争に晒され、新しい市場を切り開いてきた中国ゲーム企業の今後の動向に要注目だ。
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引用:http://youxiputao.com/articles/17569
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