中国ゲーム実況サービス大手『Douyu(斗魚)』は7月17日にNASDAQで新規株式公開(IPO)を実施した。
元々はニューヨーク証券取引所でのIPOを計画していたが、NASDAQでのIPOに計画を変更し、調達規模は約852.5億円(7.75億ドル)に及んだ。
同社の7月19日現在の時価総額は約3945.7億円(35.87億ドル)となっている。
過去3期連続赤字も2019年Q1は黒字化
『Douyu(斗魚)』の株主は今回の株式公開に合わせて合計10%の株式を売りに出している。大株主である『テンセント』も一部売却を行っており持株比率を43.1%から37.2%へと減らしている。
また、創業者兼共同CEOである張氏も持株比率を1.2%に減らしていることから、市場からは今後の成長に対し懐疑的な見方が出てきている。
決算情報を見てみると、『Douyu』は2016年~2018年まで3期連続で赤字が続いており、3年間の損益額は約363.5億円(22.72億元)となっている。
ただし、2019年Q1はMAU1.591億、課金ユーザー数600万、売上高238.24億円、純利益2.912億円と黒字化に成功している。
『Douyu』の収益源はライブ動画事業と広告事業の2つから構成されている。
2018年通年の売上比率はライブ動画事業が全体の86.1%、広告事業が13.9%とライブ動画事業の売上が大半を占めている。
今後はeSportsにも投資
『Douyu』は今回のIPO実施により調達した資金の35%をeSports関連事業への投資に、30%を技術とビッグデータのR&Dと運営効率の向上に、15%を投資と営業活動に、残りを会社の運用資金に用いるとしている。
今回のIPOに際し『Douyu』が公開した事業面の数字は以下の通り。
【『Douyu(斗魚)』のKPI】
MAU:1.591億
→モバイル:4910万
→PC:1.1億
月平均使用時間:
→5.9時間(新規ユーザー)
→13.9時間(1年利用ユーザー)
独占契約ライバー数:6500名
→ゲーム実況領域のTop100ライバーの内51名を確保
『Douyu』に先んじてニューヨーク証券取引所での上場を果たした競合の『Huya(虎牙)』の2019年Q1の売上高は約260.96億円、純利益は約10.16億円と『Douyu』を上回っている。
ただし、『Huya』のMAUは1.238億、課金ユーザー数は540万と『Douyu』よりも少し少ない数字となっている。
関連情報
『Douyu(斗魚)』目論見書:https://sec.report/Document/0001047469-19-004032/
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