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【インタビュー】テンセントのゲーム分析官が語った次に来るゲーム市場のトレンドはコレ!

インタビュー

『PUBG Mobile』や『コード:ドラゴンブラッド』のヒット、Marvelousへの出資など、中国ゲーム最大手テンセントの存在感が日増しに大きくなっている。

そんなテンセントゲームズのゲーム分析官は今の中国市場のトレンドと今後のトレンドをどの様に見ているのか?

16年にテンセントが業界のノウハウ共有と人材育成の為に立ち上げた『腾讯游戏学院』と中国ゲームメディア『遊戯葡萄』が行ったインタビュー内容を要約して紹介したい。

トレンド予測はコアゲーマーと学生の動向を注視


(テンセントゲームズのゲーム分析官Nick氏)

■Nick氏の経歴
・コンピュータサイエンスを学びUbisoftに入社
PCオンラインゲーム、スマホゲーム開発を経てテンセントへ

■テンセントゲームズでの役割
・戦略と投資
・社内、社外パートナーへのイノベーションの方向性の提示

■良質なコアゲームには初期からアプローチする
・ゲームの流行は、コアゲーマーに始まり、徐々に一般層に広まる
MOBAが最たる例
→ 最初はコアなMODマップだった。そこから『LoL』や『王者栄耀』に繋がった
コアゲーマーが喜んでプレイしているゲームには初期段階からアプローチする
・そして、マルチプラットフォーム展開、IP、共同開発、投資といった、開発チームがゲームをよりマス向けに訴求できるリソースを提供する
・バトロワが広まる前には、サバイバル系、オープンワールド系のゲームがコア層に人気だった。


(『王者栄耀』)

■トレンド予測で大事なこと
・若いゲーマーが何に触れているか?を知ること
・ゲームの好みは学生時代に形成される
学生が社会人になると、彼らがメインストリームになる
・なので、トレンドは常に移り変わる
・現在のMMO人気は2000年代の『WoW』大ヒットの影響

■自己実現欲求、承認欲求、社会的欲求
ゲームはマズローの欲求5段階説の上位3階層の欲求、自己実現欲求、承認欲求、社会的欲求を満たさないといけない
SLGはニッチジャンルだが、これを満たしているので人気が高い

■他にゲームの成功に必要不可欠なものは?
・技術の発展
・教育水準の向上
作品性

■トレンド予測を外したことは?
女性向け市場の発展速度を低く見積もり過ぎた
・中国は伝統的に女性ユーザーが少なかった
3-5年後に大ヒット作が出ると予測していた

■トレンド予測の精度はどの程度か?
・天気予報のようなもの
・どの様な台風(トレンド)か、いつくるのか、規模はどの程度か、はモデルケースを元に予測できる
・ただ、実際の結果はトレンドが生まれてからでないと分からない

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各ジャンルの現状と今後について

■MMOについて
2014年以降MMORPGに刷新がない
MMOはそこで途絶えている
今のスマホMMOはPCオンラインゲームIPを焼き直しているだけ
MMOの発展には新規要素の追加が必要
・海外では既にMMOにオープンワールド、シューター、サバイバルアクションの要素をかけ合わせる動きがある

MOBAについて
MOBAも成熟期に入った
若者層はバトロワ・シューター系をより好んでいる

■オープンワールドについて
・従来のゲームとはゲームデザインが大きく異なる
・本質は自由なゲーム性にある
・様々な遊び方を提供しなければならず、開発は個人とチームに依存する
・開発チームの理解が正しければ『Escape from Takov』ができあがる
・理解が間違っていれば『ANTHEM』『Fallout76』になる


(『Escape from Takov』)

■2次元ゲームについて
・今では1億人近くユーザーがおり、ニッチジャンルでは無くなった
・今後は2次元の中でも更なる細分化が必要

■アクションシューティングについて
・これまではネットワーク技術の問題で実現できなかった
・若者層を中心に人気が高く、今後も伸びる

■オートチェスについて
オートチェスはTCGを視覚的にしたもの
・ただ、それによりTCGにあったカードパックの設計を捨てたので、収益性に課題が残っている
・ニッチジャンルのコンテンツなのでトップタイトルしか生き残ることはできない


(『Auto Chess:Origin』)

■サンドボックス、サバイバル系について
2013年頃から学生を中心に人気
今後3~5年でユーザー規模が拡大する
・この層の購買力が高まる6~9年後に市場が大きく伸びる

■ライブストリーミングのゲームに与える影響
・ライブストリーミングやショートムービーの普及により、より動画映えするゲームデザインが求められる
・『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』『FF7リメイク』『ハースストーン』など複雑なゲームジャンルのものも以前よりも直感的になっている

同氏の発言を紐解けば、動画映えする、今若者層に人気のバトロワ・シューター系、サンドボックス、サバイバル系、が今後期待できる市場で、オープンワールドも潜在ニーズは高いが、ゲームデザインが難しいと考えていることが分かる。

以下の原文インタビューでは中国デベロッパーのイノベーションのジレンマなど興味深い話題も多い。気になる方は是非チェックしてみて欲しい。

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関連情報

インタビュー記事原文:こちら
腾讯游戏学院』こちら


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