3月24日、中国ゲーム最大手企業である『テンセント(Tencent)』は北京にて新作発表会『UP2019 騰訊新文創生態大会 TENCENT NEO – CULTURE CREATIVITY CONFERENCE』を開催した。
同社が発表した20タイトルには、アクティビジョンとの共同作『コールオブデューティー モバイル(Call of Duty Mobile)』やSupercellの『ブロスタ』といった海外の大作から、中国IPものまで全方位展開の様相を呈している。
中国のスマホゲームはもはや中国市場だけではなく、グローバル展開が常識となった。中国スマホゲームの中心的存在である、同社のタイトルラインナップを知ることは、日本市場の今後を見据える上でも重要な意味を持つのではないだろうか。
以下にテンセントが発表した20タイトルの内、主だったタイトルの概要を紹介したい。
20タイトルの内訳は?
テンセントが発表した20タイトルの内訳は以下の通りだ。
『代号:LN』以外はすべてスマホゲームとなっている。スマホ偏重やIPタイトルの割合は従来の路線と変わらない。
情報初出!『代号:生機』
代号:生機
同作はテンセントが今回初めて情報を解禁した、サバイバルスマホゲームだ。
開発は『PUBG Mobile』などを手がける、テンセントの『光子工作室群(Lightspeed & Quantum Studios)』が既に2年程開発を続けているという。
ゲームエンジンは『Unreal4』を使用し、シームレスで大きな世界を生き抜くサバイバル系アクションゲームとなっている。
公式サイトにある同作特徴は以下の通りだ。
1. テンセント初の『リアル』生存スマホゲーム
2. 超大なオープンワールド
3. 『リアル』な野外での生存
4. どこでも自由に好きな建物を建造
5. スムーズなシューティングバトル
6. 仲間と協力し生存を目指す
公式予約サイト:https://soc.qq.com/act/a20190323coming/index.html
海外からは大ヒット作1本とS級がIP2本!
ブロスタ
同作はSupercellの5本目のタイトルとして中国でも本格サービスを開始する。
テンセントは中国大手の『YooZoo(游族)』と共同で同作の中国パブリッシングを行うしており、事前登録を開始している。
事前登録サイト:https://bs.qq.com/
コールオブデューティー モバイル
同作はテンセントとアクティビジョンが共同で開発する『コールオブデューティー』のスマホ版だ。
開発はテンセント一番のヒット作『王者栄耀』を開発した『TiMi Studios』で、昨年12月に行ったベータテストのユーザーフィードバックも良好であったという。
ただ具体的なリリース時期などへは言及が無かった。
もう一本は、上記『ブロスタ』の共同パブリッシャーでもある『YooZoo』が開発を行う『ゲーム・オブ・スローンズ』IPのスマホゲーム『権力的遊戯:凛冬将至』だ。
権力的遊戯:凛冬将至(ゲーム・オブ・スローンズ)
同作は『HBO』から正式ライセンスを受け『YooZoo』が開発を行い、テンセントがパブリッシングを行うスマホ向け本格3DSLGとなっている。
中国産IPのスマホ化
縁結びの妖狐ちゃんM
同作はテンセントの開発スタジオ『北極工作室』が『テンセントアニメ』とタッグを組み、漫画原作者の小新氏と共に作り上げる、中国風純愛ターン制MMORPGだ。
(公式サイトPVより)
ゲームは人気アニメで日本でも配信された『縁結びの妖狐ちゃん』の世界観を踏襲している。
キャラクターは3DのトゥーンレンダリングのCG級のハイモデルを用いて原作世界を表現していると言う。
一人之下M
これも上記と同じく、中国で人気の漫画『一人之下』のスマホ化で、ゲームジャンルは2次元格闘RPGとされている。
(2018年4月のβテスト時のゲーム画面)
スマホ版の事前予約数は既に1000万人を突破するなど、リリース前から人気の高さが伺えるタイトルだ。
秦時明月M
同作は中国で人気の『秦時明月』シリーズのアニメ版をスマホゲーム化したものだ。

ゲームトレーラーにもあるように、同作は古代中国の世界観を再現したMMORPGとなっている。
テンセントのタイトルラインナップに見る変化は?
今回発表された20タイトルから読み取れるラインナップの特徴は以下にある。
【テンセント新作ラインナップの特徴】
1. 日本IPが無い
→ 新作発表会のタイミングに合わなかった可能性もあるが、中国IPが目白押しの中、日本IPが0本であったのは変化と考えられる
2. 中国モチーフ、中国IPの増加
→ 武侠物や中国アニメなど、中国IPを推しているようにも感じられる
3. 新規ジャンルはオリジナル。既存ジャンルはIPもの
→ サバイバル系やサンドボックス系などスマホゲームでは新規ジャンルに該当するものはオリジナルで開発
もちろん今回の発表会で触れられなかったタイトルがリリースされない、という訳ではないが、日本絡みの動向は気になるところだ。
今後もテンセントの戦略や新作ゲームなど大きな動きがあり次第、紹介していきたい。
関連情報
『UP2019 騰訊新文創生態大会』特設サイト:https://up.qq.com
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引用:https://mp.weixin.qq.com/s/EKb-XdxnkWpxZjeHDJmCSQ
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