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【インタビュー記事】中国IPが日本IPを超える?Tencent運営プロデューサーが語る2次元の未来とは?

インタビュー

SEGAから『電撃文庫』の版権を獲得し中国で『電撃文庫:零境交錯』の運営を行っているTencentの運営プロデューサーの陸軍偉氏への『遊戯葡萄』によるインタビューを紹介したい。陸氏が語る中国2次元ユーザーの嗜好や中国国産アニメの台頭など、今後の日中ゲームビジネスを考える上で興味深い内容となっている。

■SEGAと組んだ『電撃文庫:零境交錯』は苦戦した?

Q:『電撃文庫:零境交錯』はTencent初の2次元タイトルと捉えて良いでしょうか?

陸氏:広義の2次元という意味では、以前『ドラゴンボール ドッカンバトル(龙珠激斗)』と『NARUTO』を運営していますし、16年には女性2次元ユーザー向けに『アンサンブルスターズ』の運営も行いました。

コア向けの2次元という意味では『電撃文庫:零境交錯』はTencent初の2次元タイトルと言えます。

Q:『電撃文庫:零境交錯』の最大の魅力はIPだと言う人も多いですが?

陸氏:このゲームは25ものIP作品から作られており、中国でも人気の『ソードアート・オンライン』や『とある魔術の禁書目録』なども含まれているのですが、『電撃文庫』IPはそういった人気作と比べ知名度は低いです。

なので、IPの力というのはそれほど大きくは無いと思います。
実際、事前予約期間も他の2次元系のゲームより予約数が少ないこともありました。

ただ、プロモーション運用で『電撃文庫』の各作品や各キャラクターの打ち出し方に工夫をしたり、露出を高めたことで、各作品のファンの期待を高めることができ、結果としては予約数もリリース後の流入も満足しています。


(『電撃文庫:零境交錯』のバトル画面)

■Tencentが考える2次元ゲームとは?

Q:IPものとオリジナルものの2次元ゲームにはどの様な違いがありますか?

陸氏:IPものにはコアファンが既についていることが多いです。また、それらコアファンをTencentのビッグデータから解析し、初期運営やユーザー満足度向上に繋げることができます。これはIPものの良い点だと思います。

別の側面から見ると、日本のIPものは監修が厳しいので、2次元タイトルのクオリティを高めることはできますが、同時により多くの制限も受けてしまいます。

オリジナルものにはこういった制限はほとんどありませんが、より長い時間をかけてコアファンを育てて行く必要があります。


(中国で人気の中国産コミック『狐妖小紅娘』。アニメ版は日本でも『縁結びの妖狐ちゃん』として17年に放送された。)

Q:広義の2次元ユーザーとコアな2次元ユーザーの違いを教えてください。

陸氏:広義の2次元ユーザーは一般的なプロモーション手法や他のユーザーの影響を受けやすいですし、コンテンツを消費することが好きです。

コアな2次元ユーザーは年齢で言うと22才以下が多く、自分の主張があり情報発信に長けていると思います。

Q:Tencentが考える2次元ゲームユーザーとはどのようなユーザーですか?

陸氏:ACGN(アニメ、コミック、ゲーム、小説)が好きなユーザー。もしくはそれらを取り巻く環境や行動が好きな人たちです。

私達は2次元ユーザーの背景となっている、若者層のセンスと価値観にとても注目しています。彼らは人は違った個性的なものを好み、『2次元』もそのうちの一つであると考えています。


(日本でも人気のコスプレイヤー『Sherry』の『御坂美琴』。)

Q:2次元ユーザーは浸透拡大していると思いますか?

陸氏:1級都市、2級都市では日本系のカルチャーが受け入れられており、浸透拡大の速度は速いと思います。3級都市、4級都市も、そういった2次元文化に触れていますし、徐々に広まっていくと思います。

Q:中国の2次元ユーザーをどの様に捉えていますか?

陸氏:2次元ユーザーは自分たちが好きなものを認めて欲しい、敬意を持って欲しいと考える傾向が強いと思います。なので、従来のプロモーション手法に加え、コンテンツ面の運用とIPブランディングにも力を入れています。

Q:Tencentはマスには強いが、コアユーザーには特化していないとの見方もあります。

陸氏:それは誤解だと言えます。実際、コアユーザーはTencentの各サービス上に点在していますし、2次元ユーザーの主なやり取りの場はやはりQQですよね。

要は、私達がこれまで自社のサービス上にいるコアユーザーたちに、振り向いてもらえるようなゲームを提供できていなかった、ということだと思います。

Q:2次元ゲームの成功の秘訣はなんだと思いますか?

陸氏:世界観やストーリーに奥行きがあること、キャラクターの個性が立っていることは成功の前提条件です。これらがそろって初めてユーザーが求める2次元ゲームとしてのパッケージングができますし、2次展開などIPの運用にも適しています。

また、2次元ゲームは運営も非常に重要です。

Q:Tencentが2次元ゲームをパブリッシングする際の基準を教えてください。

陸氏:先程お話した点以外では、タイトルの強みが明確であることです。IPが必須ということではありませんが、2次展開も含めた広がりのある作品が良いと思います。

Q:今年はどれくらいの2次元ゲームをテストしましたか?

陸氏:上半期のゲームはMMOやカードバトル、ARPGに至るまで基本的に2次元要素の入ったものが多かったので、そういった意味では1000以上はテストしたと思います。

コアな2次元ゲームに絞ると、社内の篩いにかけた後で残ったのは100タイトルくらいです。そのうちの30%が海外産の2次元タイトルとなります。

また、社内の最終判断まで至ったものも30タイトルくらいあり、明らかに増加しています。これは中国国内の2次元ゲームのクオリティが高くなったことがその要因です。


(Tencentがパブリッシング予定の『初音ミク:夢幻歌姫』)

Q:今後2次元領域でどのような展開を行う予定ですか?

陸氏:広義の2次元領域は元々Tencentの得意分野でした。大型IP+実績のあるゲームプレイというモデルで『NARUTO』などのタイトルをリリースしてきました。

今年は後2-3タイトルは出したいと考えています。また、リリース時期は確定ではありませんが、『初音ミク:夢幻歌姫』の他にも5-6タイトル2次元系のゲームが控えています。

Q:今後2次元市場にはどのような変化があるとお考えですか?

陸氏:いくつかの方向性があると思います。まずは競争の激化です。これはサービスクオリティの向上にも繋がりますが、参入障壁が高くなることにも繋がります。開発チームへのクオリティの要求も高くなると思います。

次に、中国国産IPの台頭が考えられます。現状、2次元領域では日本IPが多くありますが、2000年生まれ以降の世代は日本のコミックやアニメが一番熱かった時代を経験していません。

彼らは日本のコンテンツにそれほど強い思い入れはなく、中国国産IPにより深い思い入れを持つ傾向があります。なので、今後は今まで以上に中国国産IPが盛り上がってくるのでは無いでしょうか。

他には2次元ゲームジャンルの細分化も可能性があると思います。現状の2次元カード系やAPRGの他に、既にゲーム性が受け入れられているSLGや音ゲー、タワーディフェンス系、サンドボックス系、アイドル育成系やVR、ARなど多岐に渡り細分化していくと思います。

 

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引用:http://youxiputao.com/articles/15919
翻訳・再編:ゲーム大陸
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